今週の指標 No.973 目次   前へ   次へ 2010年11月22日

GDPデフレーターは6四半期連続の前年比マイナス

<ポイント>

  1. 2010年7−9月期のGDPデフレーターは、前年比マイナス2.0%と6四半期連続のマイナスとなった。国内需要デフレーターについても、同マイナス1.2%と下落が続いている。季節調整後の水準をみても、GDPデフレーター、国内需要デフレーターともに下落傾向が続いている(図1)。
  2. GDPデフレーターの下落が継続した要因としては、消費デフレーターの大幅なマイナス寄与が続いたことが主因である。また、2010年に入り、輸入デフレーターの上昇などの海外要因もGDPデフレーターの押下げ要因となっている(図2)。
  3. 消費デフレーターの大幅なマイナスが続いた要因を調べるため、消費デフレーター作成の基礎となる消費者物価指数の推移を寄与度分解した。これによると、生鮮食品を除く食料や教養娯楽関連の価格下落が続いたほか、公立高等学校授業料の無償化の影響により、2010年第II四半期以降、教育もマイナス寄与となっている(※注)ことが分かる(図3)。
  4. 次に、輸入デフレーター、輸出デフレーター作成の基礎となる輸入物価指数、輸出物価指数を寄与度分解した。これにより、2010年以降、主に石油・石炭などエネルギー価格の上昇が輸入デフレーターを押上げてきたことが分かる(=GDPデフレーターの押下げ要因となる)。ただし、7−9月期にはエネルギー価格の伸びの鈍化により、輸入物価全体の伸び率も鈍化した。輸出物価指数をみると、主に輸送用機器や電気・電子機器などの価格下落が、最近の輸出デフレーターの押下げ要因となっている(図4)。この背景としては、今年に入ってからの円高傾向が円建てベースの輸出価格を押下げたことが考えられよう。
  5. 2010年7−9月期GDP1次速報を踏まえたGDPギャップの動向をみると、改善してきているが、依然マイナス幅が大きい。また、景気が足踏み状態となっているなかで、先行きについては注意が必要である。なお、その水準については定義や前提となるデータ、推計方法によって異なることから、相当の幅をもってみる必要がある(図5)。

    ※注 公立高等学校授業料の無償化は、民間消費支出についてはデフレーターの押下げ要因となる一方で、政府最終消費支出については押上げ要因となるが、その影響は非常に限定的である。なお、結果として、両要因が総合される国内需要デフレーター及びGDPデフレーターには影響を及ぼさない。

図1 GDPデフレーターの推移
図2 GDPデフレーターの推移と寄与度
図3 消費者物価指数の推移と寄与度
図4 輸入物価指数及び輸出物価指数の推移と寄与度
図5 GDPギャップの推移

担当:参事官(経済財政分析−総括担当)付 北島 美雪 直通:03-3581-9516

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

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