今週の指標 No.964 目次   前へ   次へ 2010年8月30日

国内需要デフレーターのマイナス幅は3四半期連続で縮小

<ポイント>

  1. 2010年4−6月期のGDPデフレーター(前年同期比)はマイナス1.8%と5四半期連続のマイナスとなったものの、1−3月期からマイナス幅が縮小した。国内需要デフレーター(前年同期比)についても、マイナス0.8%と3四半期連続でマイナス幅が縮小した(図1)。
  2. 内需デフレーターのマイナス幅が縮小した要因をみると、消費デフレーター及び設備投資デフレーターが依然マイナス寄与であるものの、これらのマイナス幅が縮小したことが主因である(図2)。また、公需デフレーターも5四半期ぶりに0.1%とわずかながらプラスに転じた。
  3. 消費デフレーターのマイナス幅が縮小した要因を調べるため、消費デフレーター作成の基礎となる消費者物価指数の推移を寄与度分解した。これによると、公立高等学校授業料の無償化の影響により教育のマイナス寄与が拡大した(※注)一方で、電気・ガス代、薄型テレビやパソコンなど教養娯楽関連品目のマイナス寄与の縮小がみられた(図3)。
  4. また、設備投資デフレーター及び公共投資デフレーター作成の基礎となる企業物価指数の資本財(除く情報通信機器)価格と建設用材料価格の推移を寄与度分解した。資本財価格の動きをみると、2010年4−6月期の前年比マイナス幅は前期からわずかに拡大しており、設備投資デフレーターの動きとは異なる(図4)。これは、SNAベースの設備投資デフレーターには含まれるものの、企業物価指数の資本財には含まれない建設用材料価格の前年比マイナス幅が縮小したことによる。建設用材料価格の推移を寄与度分解したところ、前年比マイナス幅の縮小は、主に鉄鋼の価格上昇によることが分かる(図5)。したがって、4−6月期において、鉄鋼など建築資材価格の上昇が設備投資デフレーター及び公需デフレーターの押上げ要因となったといえよう。
  5. 2010年4−6月期GDP1次速報を踏まえたGDPギャップの動向をみると、前期と同水準であり、依然大幅なマイナスが続いている。ただし、その水準については定義や前提となるデータ、推計方法によって異なることから、相当の幅をもってみる必要がある(図6)。

    ※注 公立高等学校授業料の無償化は、民間消費支出についてはデフレーターの押下げ要因となる一方で、政府最終消費支出については押上げ要因となるが、その影響は非常に限定的。なお、結果として、両要因が総合される国内需要デフレーター及びGDPデフレーターには影響を及ぼさない。

図1 GDPデフレーターの推移
図2 国内需要デフレーターの推移と寄与度
図3 消費者物価指数の推移と寄与度
図4 資本財価格の推移と寄与度
図5 建設用材料価格の推移と寄与度
図6 GDPギャップの推移

担当:参事官(経済財政分析−総括担当)付 北島 美雪 直通:03-3581-9516

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

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