今週の指標 No.937 目次   前へ   次へ 2009年10月26日

医療・福祉の労働需給状況

<ポイント>

  1. 厚生労働省「一般職業紹介状況」によると、平成21年8月の有効求人倍率は0.42倍となっており、前月に続き過去最低にある(図1)。
  2. 新規求人数について産業別にみると、製造業、卸・小売業、サービス業が対前年同月比で大きく下げている。一方、2009年に入るころまで医療・福祉の新規求人は増加基調で推移していた(図2)。2009年以降は減少に転じているものの、医療・福祉の職種別の有効求人倍率をみてみると、専門性の高い職種を中心に1倍を上回っており、恒常的に人手不足の状況であると考えられる(図3)。
  3. 医療・福祉の現場では、待遇などで雇用主と求職者の希望が一致しないミスマッチ、雇用主が求める資格やスキルが求職者にないことでそもそも採用できないアンマッチといった問題があると言われている。ミスマッチについては、離職率の高さからも窺うことができる(図4)。
  4. さらに、医療・福祉の職種の有効求人数と有効求職者数の推移をみると、2000年以降求職者の伸びを上回る勢いで求人数が増加しており(図5)、2003年以降はほぼ一貫して求人に対して求職が足りていない状況が拡大してきた。足下では世界的な不況の影響もあって求人数がやや減少しているが、求人が求職を大きく上回っている状況に変わりはない。
  5. これと対比する形で、主に製造業の職種である生産工程・労務の職種の有効求人数と有効求職者数の推移をみると、求人数の推移に比べ求職者数はかなりの高水準で推移しており、ほぼ一貫して求職に対し求人が足りておらず、足下でその差は一段と拡大している(図6)。求人と求職の差を計算すると、医療・福祉では最大で約13万人の求職不足、生産工程・労務では最大で約70万人の求人不足が存在している。
  6. こうした乖離は職種間や産業間のミスマッチやアンマッチを示すものであり、その縮小を図ることは重要性が増している介護・福祉分野における担い手の確保や、失業率上昇の抑制につながるものと考えられる。

【図1】新規求人倍率と有効求人倍率の推移
【図2】新規求人数の産業別要因分解
【図3】医療福祉の職種別求人倍率
【図4】産業別入離職率
【図5】医療・福祉の職種の有効求人数および有効求職者数の推移

担当:参事官(経済財政分析-総括担当)付 新井 宗大 直通:03-3581-9516

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

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