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<ポイント>
- 2008年9月のいわゆるリーマンショック以降、世界的に株価は大幅な落ち込みを見せた。欧米の金融システムを中心とした機能不全が金融資本市場全体の危機へと発展し、その影響は実体経済へと波及した。しかし、リーマンショックから1年を経過し、ショックそのものの影響は薄らいできた。
- リーマンショック以降の主要国株価の動きを見ると、落ち込みからいち早く株価が上昇したのは中国およびインドといった新興国であり、09年中ごろまでにはショック前の水準に回復している。一方、アメリカ・イギリス・ドイツ・日本といった先進国は、水準にこそ差があるもののゆるやかな上昇にとどまっていることがわかる(図1)。
- 同様の動きをしているように見える先進国の株価だが、足元では日本の株価の回復に遅れが目立つ。日米ともにリーマンショック以降株価が大きく下落したが、アメリカではとくに金融セクターの株価の下落幅が大きかった。2008年8月末時点の株価と比較してアメリカの金融株は70%以上下落し、日本を大きく上回る下落率だった(図2)。しかし、金融支援等の効果もあり、金融市場の混乱が落ち着くにつれて、現時点では下落幅は30%程度と日本より高いレベルまで戻っている。これに対して日本では、金融や不動産といったショックの直接的な影響を受けやすい業種に加え、電機・精密、自動車・輸送機、鉄鋼・非鉄、商社・卸売などを中心に輸出関連の幅広い業種で大きな落ち込みを経験した。
- リーマンショックによる金融市場の混乱が落ち着いてきても、世界経済の回復力は弱い。いち早く回復していた中国の株価も8月以降は調整気味であり、中国を中心とした世界経済の持ち直しに依存している輸出業種の株価の頭を重くしている。さらに最近の円高の進展も、輸出業種の株価下落につながったと考えられる(図3)。業種別に株価とドル円為替レートの相関を見ても、電機・精密、自動車・輸送機などの輸出関連株の相関はきわめて高い(図4)。
- 足元では、景気の先行きや自己資本規制の強化等を懸念した金融株の下落も日本の株価の下落要因となっている(図5)。リーマンショック以降の世界金融危機の震源にならなかった日本経済であるが、金融から実体経済へ危機が広がるなかで、世界経済の潜在的な成長力が低下しているのではないかという懸念も広がってきた。世界経済への依存度が高い日本経済の先行きに対する懸念が日本の株価に影響している可能性がある。
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