今週の指標 No.918 目次   前へ   次へ 2009年4月6日

自動車の減産が製造業の生産活動に与える影響

<ポイント>

  1. 自動車の国内販売台数及び輸出台数はともに前年同月比で大幅に減少しており、減少幅は昨年秋以降さらに拡大している。こうしたなか、我が国の自動車メーカーは大規模な生産調整を行っている(図1)。

  2. 自動車産業を含む輸送機械工業が我が国製造業のGDPに占める割合は14.5%と大きく、その動向が製造業全体に与える影響も大きい。実際、鉱工業生産をみると、2008年10−12月期に−12.0%減少した後、2009年1月、2月もそれぞれ10.2%減、9.4%減となるなど急速に減少しているが、こうした動きに最も寄与しているのは輸送機械工業である(図2)。

  3. また、自動車産業はすそ野が広く、減産の影響は他部門の生産にも幅広く波及するといわれている。平成19年簡易延長産業連関表によると、自動車産業を構成する品目である乗用車やその他の自動車の生産波及力(1単位の最終需要が発生した時、その生産に必要な中間財の需要を通じて、他の産業に直接間接に誘発される生産額の倍率)は、財やサービスの平均よりも大きい(図3)。このため、自動車の販売不振は、自部門の生産への直接的な影響に加えて、他部門への波及を通じた間接的な影響も大きいと考えられる。

  4. こうした直接、間接を含めた負の生産波及効果は、自動車需要の減少の大きさと生産波及力の大きさにより求められる。2008年度の自動車需要の減少率(一部推定を含む)を17.4%とすると、負の波及効果は製造業全体の生産額の−3.0%程度に相当すると試算される(表4)。業種別にみると、自動車産業の川上に当たる鉄鋼、非鉄金属、プラスチック製品への影響が大きい。

  5. 輸送機械工業は、製造工業生産予測調査において3月、4月ともに前月比で生産の増加が見込まれている。また、4月からは自動車重量税、自動車取得税の減免も行われる。鉱工業生産が大幅に減少するなか、自動車生産の先行きが注目される。


図1 自動車の販売、輸出、生産の推移
図2 鉱工業生産の推移
図3 輸送機械の生産波及力
表4 自動車需要の減少による負の波及効果

(備考)
1.社団法人日本自動車工業会「自動車統計月報」、経済産業省「鉱工業指数」、経済産業省「平成19年簡易延長産業連関表」等により作成(図1〜表4)。
2.2007年の国内生産額シェアに基づく試算。年間の国内生産額に対する割合(表4)。
3.電気機械は情報通信機械、電子部品・デバイスを含む(表4)。
4.2008年度の自動車需要(国内販売+輸出)の減少幅を当初計画と実績(一部推定を含む)の差とし、減少幅の当初計画に対する比率を減少率とした。

担当:参事官(経済財政分析-総括担当)付 迎 堅太郎 直通:03-3581-0806

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

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