今週の指標 No.905 目次   前へ   次へ 2008年11月10日

08年上期でみる地域別工場立地動向

<ポイント>

  1. 企業の工場立地件数(以下、立地件数という。)の推移をみると、03年以降順調に伸びてきたが、07年は増勢が鈍化した。足元08年上期までを半期ごとにみると、06年下期をピークに漸減してきている。立地面積については07年下期をピークに、08年上期減少に転じた(図1、2)。
  2. 立地件数が多い4業種をみると、08年上期において、一般機械は伸びたが、輸送用機械、食料品・飲料等、金属製品では減少している(図3)。
  3. 次に、地域別に07年下期と08年上期を比較すると、近畿では一般機械や化学(その他の製造業に含まれる)で増加した。東海は一般機械や輸送用機械で伸びたが、繊維工業(その他の製造業に含まれる)などで減少した。一方、東北は食料品・飲料等や金属製品の低下で減少、北関東は輸送用機械や食料品・飲料等が伸びたものの、一般機械や金属製品の低下で減少となった(図4、5)。
  4. 工場立地は景気の動向に影響される面も大きいが、中長期的に企業の工場立地を後押しする新たな制度(企業立地促進法)が昨年6月からスタートし、企業立地を通じた地域への産業集積の形成及び活性化を図る取組みが行われている。さらに今年度は、企業立地促進法の改正で農林水産業関連業種への支援措置が追加され(注1)、また農林水産業と商業・工業等の産業が連携し、地域独自の経営資源を活かして地域経済の活性化をねらう制度(農商工等連携促進法)がスタートした(注2)。
  5. 企業立地促進法に基づいて自治体が策定した基本計画(注3)は、08年11月現在で44道府県で126となり、そのうち農林水産業関連産業を集積業種として含む計画は81で約65%を占めている。産業集積の度合いが依然弱いとみられる北海道や東北、九州・沖縄などでの策定が進んでいる(図6)。実際の企業立地計画の状況は、07年7月から08年8月において、東北や九州・沖縄では30件を超え、北陸や四国でも25件前後と北関東、近畿と同じ水準となっている。
  6. 今後は経済情勢の悪化を背景に、企業立地の動向も厳しい状況が予想されるが、自治体は企業訪問を増やしたり、セミナー等の開催による情報提供、小規模な立地にも対応できる土地の整備、誘致後のアフターサービスを整備するなど、これまで以上に企業のニーズを十分くみ取る必要性が高まっていると考えられる。

  7. (注1)食料品製造業等の農林水産業関連産業に対して、設備投資減税措置を受ける最低投資要件を引下げる(機械等3億円→4千万円、建物等5億円→5千万円)などの措置が追加された。
    (注2)中小企業者と農林漁業者が共同で作成した農商工等連携事業計画が、国から認定された場合、事業資金の債務保証を受けられる、小規模事業者の設備導入資金に対する貸付割合引上げ(貸付対象額の1/2→2/3)などの支援措置が用意されている。
    (注3)国の基本方針のもと、都道府県と市町村が(地域産業活性化協議会での協議を経る)、集積を図る区域や業種などを設定し、国の同意があったもの。これに基づき、企業が立地計画を都道府県に申請し承認されれば、設備投資減税や超低利融資などの優遇措置が受けられる。

【図1】工場立地件数と敷地面積の推移 【図2】最近の工場立地件数と敷地面積の推移
【図3】主な業種の件数の推移(06年下期−08上期)
【図4】主な業種の地域別立地件数(07年下期) 【図5】主な業種の地域別立地件数(08年上期)
【図6】企業立地促進法に基づく「基本計画」の状況
(08年11月現在)
備考

担当:参事官(経済財政分析-地域担当)付 舟山 重信 直通:03-3581-0818

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

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