今週の指標 No.903 目次   前へ   次へ 2008年11月04日

地域別の景況感の変化について

<ポイント>

  1. 海外経済の景気減速等により国内の景況感が悪化しているなかで、地域別に景況感の変化を、輸出が鈍化し始めた2008年以降の3回の日銀短観を使ってみてみる。

  2. 各地域の業況判断DIの水準は、08年3月調査では関東と東海でプラスであったが、9月調査では全地域でマイナスとなった。DIの水準を地域間で比較すると、関東、東海、近畿といった大都市圏を含む地域は▲10%ポイント近辺である一方、北海道、東北では▲25%ポイントを下回っている(図1)。しかし、9月調査では、水準の高かった関東や東海での低下幅が大きかったことから、最も水準の高い地域と低い地域のDIの差は、3月調査の24ポイント(東海3−北海道▲21)から9月調査の18ポイント(近畿▲9−北海道・東北▲27)へと6ポイント縮小した。

  3. 次に、08年6月調査からの製造業と非製造業の業況判断低下幅を地域別に比較すると、多くの地域で製造業が非製造業を上回っており、製造業の景況感悪化のスピードが大きかったといえる(図2)。

  4. 製造業をさらに詳しくみるために、全国の製造業で大きなウェイトを占める、一般機械、電気機械、輸送機械の景況感を地域別にみると、南関東と北陸では一般機械が、また、東北、東海、九州・沖縄では輸送機械が大きく低下しており、景況感悪化の要因となっている(図3)。北関東ではこれら3業種が全て大きく低下している。これら3業種における、海外での製商品需給DIをみると、一般機械と自動車は、9月調査でプラスからマイナスに転じ、電気機械も含め3業種とも供給超過となった。輸出市場の悪化が製造業の景況感悪化の要因となっているとみられる(図4)。

  5. 他方、非製造業では、建設業の業況判断DIが北海道、南関東、東海で大きく低下しており、非製造業全体の景況悪化の要因となっている(図5)。

  6. 9月調査では、9月上旬で多くの企業が回答を済ませているとみられることから、9月下旬以降の世界的な金融危機の影響は十分織り込まれていないとみられる。調査後の株安・円高などにより経営環境はより厳しくなっており、企業の業況判断を含めた地域経済の動向を今後とも注視していく必要がある。


図1 業況判断DIの推移
図2 業況判断DIの前期差(製造業・非製造業別)
図3 業況判断DIの前期差(製造業業種別)
図4 海外での製商品需給DI(全国)
図5 建設業業況判断DIの前期差
備考


担当:参事官(経済財政分析-地域担当)付 成田 英司 直通:03-3581-0818

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

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