今週の指標 No.896 目次   前へ   次へ 2008年9月22日

最近の沖縄観光動向について

<ポイント>

  1. 沖縄県では美しい海や豊かな自然に恵まれ、独特の歴史や文化といった特性を生かし、観光業が主要産業となっている。最近では、リゾートウェディングやエステ・スパも沖縄観光の有望分野として注目されている。沖縄県の入域観光客数は過去10年で堅調に増加し、10年前と比較すると約1.5倍となっている(図表1)。
  2. 最近の入域観光客数の動向については、台風の沖縄への接近・上陸数が本年は平年を下回っていることもあり、2月以降6か月連続で前年を上回っている。今年6月は438,800人(前年同月比5.2%増)、7月525,400人(同10.0%増)といずれも同月としては過去最高を記録している(図表2)。
  3. 8月のお盆期間において、リゾートとして人気のあるハワイやグアムと沖縄への旅行者数を、国内航空会社の利用者数を使い比較してみた(図表3)。結果をみると、ハワイ・グアム方面の利用者数が前年比13.8%と大幅に減少している一方、沖縄方面は同7.2%と増加した。同期間の国内線利用者が同1.4%増、国際線利用者が同3.1%減と、全体として「安近短」の傾向が見られる中、沖縄とハワイ・グアムとでは、その傾向が顕著に出ている。この背景として、航空運賃(含む燃油サーチャージ(燃油特別付加運賃))が、昨年の同時期よりグアム方面は同21%増、ハワイ方面は同20%増であるのに対し、沖縄方面は燃油サーチャージ(燃油特別付加運賃)が含まれないこともあり、前年比約9%増と上昇幅が小さかったことがあると思われる(図表4)。
  4. 沖縄への観光客の増加は、国内客のみならず、外国客の増加も寄与している。沖縄への外国人旅行者数を、本年1〜7月を前年の同期間とで比較してみると93.9%増(寄与度は2.1%)となっている(図表2)。台湾、香港、韓国といった近隣諸国・地域からの入国者が大幅に増加していることが大きい(図表5)。台湾・香港等からの大型クルーズ船の寄港回数の増加や、本年4月の那覇・香港間の航空路線の新規開設など、外国人観光客の誘致が奏効している結果となっている。
  5. 今後の沖縄の観光動向に影響を及ぼす要素をみると、2008年下期の航空運賃(含む燃油サーチャージ(燃油特別付加運賃))については、今夏のピーク期との比較では、ハワイ方面やグアム方面では更なる値上げが、沖縄方面については値下げの予定であり、価格面での沖縄の優位性が一段と高まる見込みである(図表6)。
  6. しかしながら、国内航空会社からは、燃油価格高による収益性の悪化から、本年11月からは大阪(関空)・那覇便の減便、12月中旬からの仙台・那覇便の運休が発表されている。消費者の節約志向の高まりにより国内客が伸び悩む恐れもある。また、台風などの天候要因によっては、観光客数に影響がおよぶ恐れもあり、今後の沖縄の観光動向については、引き続き注視していく必要がある。

【図表1】過去10年間の沖縄県の入域観光客数の推移 【図表2】最近の沖縄県の入域観光客の動向(国内客と外国客の寄与度分解)
【図表3】お盆期間の航空機利用者数の比較 【図表4】07→08年夏のピーク期の料金比較(エコノミー往復正規運賃)
【図表5】2007年沖縄県への入国外国客 【図表6】08年度ピーク期と08年下期の料金比較(エコノミー往復正規運賃)

(備考)
・【図表1、2】 沖縄県 入域観光客統計より作成。
・【図表3】 JALグループ、ANAのプレスリリースより作成。
* お盆期間の利用者数とは、平成19年8月10日〜19日、平成20年8月8日〜17日の間の、JALとANAの利用者数を足したもの。
・【図表4、6】 JALグループのプレスリリースより作成。
* 料金については、羽田と那覇、成田とグアム・ハワイとの往復で、燃油サーチャージ(燃油特別付加運賃)と航空運賃を足したものであり、各国政府・空港等に課せられている税金等は含まれていない。
・【図表5】 法務省 出入国管理統計より作成。

担当:参事官(経済財政分析-地域担当)付 松本 峰子 直通:03-3581-0818

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。

目次   前へ   次へ