今週の指標 No.882 目次   前へ   次へ 2008年6月23日

県外就職率と初任給の関係について

<ポイント>

  1. 文部科学省「学校基本調査」によると、県外就職率(高卒者)は5年前に比べ、熊本などの九州、高知などの四国を中心に高まっており、全国平均も18.1%から20.2%へ2.1%ポイント上昇した(図1)。若年層の流出が進めば、その地域から働き手である若者が減少することに加え、出生数の減少などにより将来にわたって少子高齢化・過疎化などにつながる可能性がある。
  2. 県外への就職については、一般に、有効求人倍率の高い都道府県への流出が指摘されているが、本稿では、その他の要因として就職先の選別に重要な判断条件となる初任給に着目して分析を行った。
  3. 県外就職率と初任給の関係をプロットしてみると(図2)、5年前(図3)と比べて、男女共に初任給が高いほど県外就職率が低くなる(県内就職率が高くなる)関係(負の相関)が強まっており、就職先の選別において初任給を重視する傾向が強まってきていることがうかがえる。
  4. 県外への就職先の詳細をみると、男女共に東京のシェアが最も高いが、そのシェアは男性で2.7%ポイント低下した一方、女性では2.7%ポイント上昇した(図4)。また、東京とそれ以外の道府県の初任給を男女別にみると、男性は東京の増加額をそれ以外の道府県がわずかながら上回り、差が1.6万円から1.5万円になった。一方、女性は東京の伸びに対しそれ以外の道府県で小幅増にとどまったため、差が1.4万円から1.7万円になった(図5)。
  5. 以上から、他の要因の影響もあったと考えられるが、男性の県外就職先における東京のシェア低下は初任給の差の縮小、女性の東京のシェア上昇は初任給の差の拡大も一因であると推測される。

【図1】都道府県別県外就職率(高卒者)
【図2】2007年男女別・都道府県別初任給と県外就職率の関係(高卒者)
【図3】2002年男女別・都道府県別初任給と県外就職率の関係(高卒者)
【図4】男女別県外就職先に占める東京のシェア(高卒者)
【図5】男女別・東京とそれ以外の道府県の初任給(高卒者)
(備考)

担当:参事官(経済財政分析-地域担当)付 中 朋生 直通:03-3581-1392

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

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