今週の指標 No.876 目次   前へ   次へ 2008年5月12日

27年振りの上昇幅となった国内企業物価

<ポイント>

  1. 3月の国内企業物価は前年比3.9%の上昇となり、1981年2月以来27年1ヶ月振りの 上昇幅となった(図1)。これは、原油や穀物価格の高騰によって、石油・石炭製品や加工食品等がプラスに寄与していることによる。
  2. 国内企業物価を需要段階別にみると、2007年以降、川上の素原材料や中間財が大幅な上昇傾向にあるなかで、川下の最終財は低位安定している(図2)。原油高等のコスト増が、最終財の価格に十分転嫁されておらず、中間財までの段階で吸収されている。もっとも、最終財について業種別にみると、石油・石炭製品や加工食品等がプラスに寄与しており、これら製品では最終財への価格転嫁がなされているとみられる(図3)。これに対して、情報通信機器や電気機器等は半導体の下落や技術革新等によりマイナスに寄与している。
  3. こうした業種別の動向についてコスト面からの価格上昇圧力をみるために、生産物の投入構造を比較してみると、石油・石炭製品や加工食品では素原材料を多く使用する素材業種からの投入割合が比較的高い(図4)。このため、素原材料コストの上昇に伴う製品価格の上昇圧力が大きいと考えられる。一方、情報通信機器や電気機器では素材業種からの投入割合が相対的に低いため、製品価格の上昇圧力も低いと考えられる。
  4. 以上より、石油・石炭製品や加工食品等では原油高等のコスト増により最終財価格が上昇しやすいものの、情報通信機器や電気機器等では下落が続いており、最終財合計としてはわずかな上昇にとどまっている。今後とも、価格の上昇しやすい品目、下落している品目を含め、国内企業物価の動向について注視していく必要がある。

国内企業物価の推移
国内需要財の推移
最終財(類別)の推移
投入構造の業種別比較

担当:参事官(経済財政分析−総括担当)付  野尻 隆之 直通:03-3581-9516

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

目次   前へ   次へ