今週の指標 No.875 目次   前へ   次へ 2008年4月28日

地域別人口の社会増減の変化について

<ポイント>

  1. 先頃公表された総務省「人口推計」によると、2007年10月1日時点の全国人口が前年と比べてほぼ横ばいとなっている中、東京都、愛知県、神奈川県など都市圏で増加する一方、大多数の地方圏では減少が顕著となっている。本レポートでは、過去との比較を交じえながら、最近の地域別人口動向の特徴を確認する。
  2. 図1で人口増減を自然増減(注1)と社会増減(注2)に分けてみると、多くの県で社会減が人口減に寄与している。一方で、東京都や愛知県では社会増が顕著にみられる。
  3. この社会増について、東京都と愛知県を取りだしてみると(図2)、東京都は2004年以降、毎年伸び率が高まっている。一方愛知県の伸び率は、2006年までは高まっていたものの、2007年にはやや鈍化した。
  4. 東京都の社会増の高まりの要因をさぐるため、年齢別人口を5年前と比較してみると(図3)、20〜24歳の若い年代で大幅に増加している。これは、主に若年層が進学や就職にともなって、東京都に流入していることが考えられる。
  5. そこで、高校生の県外就職率と県別の社会増減の変化幅(2002年から2007年)の相関(図4)をみると、マイナスの相関がみられ、県外就職率の高まっている県ほど、社会減少率の拡大がみられた。
  6. 東京都への若年層の人口流入は、裏を返せば、それ以外の道府県からの流出が増えていることを意味する。今後、自然減による人口減少がますます大きな重圧となってくるなかで、活力ある地域を維持していくためには、社会減をいかに食い止めるのかが、各地域にとって喫緊の課題と言える。
    (注1)自然増減:出生者数から死亡者数を差し引いたもの。
    (注2)社会増減:他の都道府県からの転入・転出に、海外からの転入・転出を加えたもの。

【図1】地域別人口増減の要因(2007年)
【図2】東京都と愛知県の社会増減率
【図3】東京都の年齢別人口
【図4】高校生の県外就職率と県別の社会増減率(2002年→2007年の差)

(備考)
・【図1】〜【図3】総務省統計局「人口推計」より作成。
・【図4】総務省統計局「人口推計」、文部科学省「学校基本調査」より作成。

担当:参事官(経済財政分析-地域担当)付 松本 峰子 直通:03-3581-0818

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

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