今週の指標 No.866 目次   前へ   次へ 2008年3月17日

正念場を迎える地域の製造業

<ポイント>

  1. 地域経済の動きをみると、家計・雇用部門に弱さがみられるものの、企業部門、とりわけ製造業の生産動向は依然堅調である。各地域の鉱工業生産指数の伸び率をみると、07年7-9月期から10-12月期にかけて増勢を強めた地域が多い。東北地域は、7-9月期にクリスマス商戦向けで電子部品・デバイスが大きく伸びた反動もあり、前期比で減少したものの、東海、中国、四国、九州などでは堅調な動きがみられる(図1)。
  2. 製造業の経営状況について日銀短観(07年12月調査)の07年度売上高(計画)を地域別にみると、東海、南関東など、前年度比でのプラスを見込み、前回調査時(9月調査)から上方修正となっている地域が多い (図2)。 他方で、同調査で07年度経常利益(計画)をみると、北海道、東北、北陸など前年度比でマイナスと見込む地域、前回調査時から下方修正に至る地域が多くみられ、最近の原料高等、経営環境が悪化するなかで、企業の業況感がより厳しくなっている様子が窺える(図3)。
  3. 製造業の売上高の堅調さには輸出向けの出荷増が貢献していると考えられる。地域別の輸出比率(県内総生産に対する輸出額の比率)をみると(図4)、東海を筆頭に北関東、近畿、中国で全国平均以上の比率となっているが、これらの地域は前述の製造業企業の売上高 (図2)でみても、前年度比、前回調査比修正率ともに高い傾向がみられる。
  4. しかし、最近の輸出をとりまく環境に目を向ければ、米国経済の減速に加えて、円高傾向など懸念材料が相次ぐ状況にある。内閣府「企業行動に関するアンケート調査」(注)では、輸出企業(製造業平均)の採算円レートは106.1円/米ドルとの調査結果が出ているが、業種によって採算レートの水準は異なっており(図5)、業種構造の異なる各地域経済においても円高の与える影響の度合いには差異があると考えられる。今後の輸出動向及び地域の製造業の動向について、引き続き注視していくことが必要である。

    *(注)調査時期は07年1月時点。調査対象企業は東京、大阪、名古屋の証券取引所第1部及び第2部に上場する企業(約2,500社)。

図1.鉱工業生産指数の伸び率 図2.地域別の製造業売上高(07年度)
図3.地域別の製造業経常利益(07年度) 図4.地域別の輸出比率(05年度)
図5.業種別 輸出企業の採算円レート
備考

担当:参事官(経済財政分析-総括担当)付 池本 靖子  直通:03-3581-1392

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

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