今週の指標 No.865 目次   前へ  次へ 2008年3月10日

高まる製造業の輸出依存度

<ポイント>

  1. 鉱工業生産と輸出、設備投資の長期的な推移をみると、おおむね相関関係がみられる
    (図1)。
  2. この相関を詳しくみるために、2000年以前と以降に分けて時差相関係数をみると、設備投資は生産に対して2四半期程度の遅行性がみられ、2000年以降の相関係数はやや低下している。 一方、輸出は生産に対してほぼ一致して動いているが、特に2000年以降は生産にやや先行するとともに相関係数が大幅に高まっている(図2)。このように過去と比較して生産と輸出の関係性が一段と強まっている。
  3. 産業連関表で製造工業製品の生産誘発依存度*を試算すると、消費や投資への生産誘発依存度は低下する一方、輸出の生産誘発依存度は明確に上昇している(図3)。グローバルな市場拡大等を背景に、製造業部門の輸出への依存度は高まり続けている。
  4. 以上を踏まえると、先行きの生産動向は海外需要の影響を強く受けると考えられる。 足元では在庫面からの生産調整圧力は依然小さいものの、今後の輸出の動向等を注視していく必要がある(図4)。

    *生産誘発依存度とは、各産業における生産誘発額の最終需要項目別構成比であり、各産業の生産額がどの最終需要項目に依存しているかを表す。
    なお、生産誘発額は、最終需要を賄うために直接、間接に必要となる各産業の生産額合計である。

図1.鉱工業生産と実質輸出、実質設備投資の推移図2.年代別の時差相関係数
図3.生産誘発依存度(製造工業製品)の推移図4.出荷・在庫ギャップの推移

担当:参事官(経済財政分析-総括担当)付 齋藤 俊輔  直通:03-3581-0806

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

目次   前へ  次へ