今週の指標 No.857 目次   前へ   次へ 2008年2月4日

地域別の消費者物価と家計への影響

<ポイント>

  1. 2007年12月の消費者物価指数(以下CPI、05年=100)は、全国で生鮮食品を除く総合指数が前年同月比0.8%上昇の100.9と、3ヶ月連続のプラスとなった。以下では、地域別の消費者物価と家計への影響について分析する。
  2. 10-12月期の持家の帰属家賃及び生鮮食品を除くCPIをみると、全地域で前年を上回っている(図1)。原油・原材料価格高騰の影響で、「食料品」と「エネルギー(電気代・ガス代・灯油・ガソリン)」が大きくプラスに寄与し、押し上げ要因の大半を占めている。
  3. より消費者の実感ベースに近い物価動向として基礎的支出CPI(購入頻度の多い生活必需性の高い品目群)をみてみると、10-12月期は全地域で前年比1.0%以上の上昇となっている(図2)。図1同様、「食料品」と「光熱費・水道(電気代・ガス代・灯油含む)」、「交通・通信(ガソリン含む)」のエネルギー関連品目が押し上げ要因の大半を占めている。
  4. 物価の上昇が家計に与える影響として、1ヶ月1世帯あたりの全消費支出に占める基礎的支出割合をみると、07年10-12月期は冬場に灯油を多く消費する北海道、北陸といった寒冷地で前年比1.1〜2.8%ポイントの増加となっている(図3)。物価上昇による基礎的支出割合の増加は、消費マインドを低下させ、選択的支出割合(購入頻度の低い贅沢品などの品目群)を減少させるなど、個人消費を抑制することが懸念される。
  5. そこで、消費マインドをあらわす景気ウォッチャー調査の家計動向DIをみると、全地域でDIが低下している(図4)。食料品や灯油、ガソリン価格の上昇に関するウォッチャーからのコメントも月を追うごとに増えていることから、これらの影響が現れているものと考えられる。
  6. 依然高い水準にあるものの、1月に入ってからのガソリン、灯油価格の上昇幅は、全地域で落ち着いてきている。また、気象庁の3ヶ月予報によると2〜4月の気温は全国的に平年並みかそれより少し高めということで、灯油使用量は多少抑えられる可能性がある。しかし、春先に向けて、菓子類、ビール、調味料等の幅広い品目の値上げが実施、検討されているとの報道もある。引き続き、消費者物価の動向と家計への影響を注視する必要がある。

【図1】消費者物価指数
(07年10-12月期、持家の帰属家賃及び生鮮食品を除く) 【図2】基礎的支出の消費者物価指数(07年10-12月期)
【図3】消費支出に占める基礎的支出割合
(住居、自動車購入を除く) 【図4】景気ウォッチャー調査(家計動向DI)
(07年10-12月期平均)

(備考)
図1 総務省「消費者物価指数」より作成。
図2 総務省「消費者物価指数」より作成。持家の帰属家賃に購入頻度がないので「住居」は除    く。基礎的支出品目は支出弾力性が1未満の品目。選択的支出品目は支出弾力性が1     以上の品目。地域別の品目分けは「二人以上世帯うち勤労者世帯」の支出弾力性によ     る。
図3 総務省「家計調査」より作成。
図4 内閣府「景気ウォッチャー調査」より作成。
(注1)基礎的支出のみで作成した総合。

担当:参事官(経済財政分析-地域担当)付 柿澤 佑一朗 直通:03-3581-1392

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

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