今週の指標 No.854 目次   前へ   次へ 2008年1月15日

近年のエネルギー環境の変化に伴う家計への新しい動き

<ポイント>

    本格的な冬を迎える中で、灯油価格の記録的な上昇が各地で見られている。以下では、灯油価格の上昇が家計に与える影響を、やや長期的な視点から検証する。
  1. 気象統計情報に基づき各都市の冬(前年12月〜2月)の平均気温を比較すると、地球温暖化の影響などもあって、04〜06年の平均気温が、10年前の94〜96年の平均気温よりも上昇している都市が多い(図1)。このため、家計の灯油使用量は、04〜06年の3年間平均と94年〜96年の3年間平均を比べると、東北地方を除いた全地域で減少している(図2)。
  2. しかし、灯油価格の上昇(図3)によって、全消費支出に占める灯油の割合は、全地域において04〜06年の3年間平均のほうが高く(図4)、灯油支出の増加が家計を圧迫している。
  3. また、(財)省エネルギーセンターの実験結果では、灯油と電気の暖房を比較した場合、部屋の設定温度を1度下げる場合のCO2削減量は、灯油の方が多いという結果がある。これは灯油が電気よりもCO2を多く排出していることを示している。
  4. このような状況を背景に、家庭内のエネルギー源の見直しの取り組みが行われており、例えば、暖房・給湯・調理など家庭のエネルギーをすべて電気でまかなう「オール電化住宅」が、近年普及してきている。電力会社によると、寒冷地である北海道及び東北地方の新築住宅での採用率は25%を超えている。
  5. 今後の家庭内のエネルギー源は、石油価格の高止まりによるランニングコストの変化や、二酸化炭素削減の要請、エネルギー効率を改善する新しい技術を利用した商品の発売など、様々な要因(表1)を考慮した上で選択する動きが見られると予想される。

【図1】平均気温の差
【図2】灯油使用量   (2006年6月〜8月) 【図3】灯油価格の推移
【図4】全消費支出に占める灯油の割合
【表1】エネルギー源のメリット・デメリット比較例

(備考)
・【図1】気象庁HP「気象統計情報」により作成。
・【図2】、【図4】総務省「家計調査報告年報(94〜96年、04〜06年)」により作成。
・【図3】石油情報センターHPにより作成。
・上記に加え、環境省、北海道電力株式会社、東北電力株式会社へのヒアリングにより作成。

担当:参事官(経済財政分析-地域担当)付 大関 久美子 直通:03-3581-1392

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

目次   前へ   次へ