今週の指標 No.817 目次   前へ  次へ 2007年7月17日

CPIにおける固定基準と連鎖基準の乖離について

<ポイント>

  1. 現在主系列として公表されているCPIは、固定基準方式により算出されているが、固定基準方式は品目とウエイトを基準年で固定するため、上方バイアス(実勢より高めの指数が出る傾向)が生じやすいと指摘されている。このため、毎年ウエイトを更新して計算するラスパイレス連鎖基準方式の指数が2007年1月分より参考指数として月次で公表されている。
  2. 連鎖基準CPI(生鮮食品を除く総合)をウエイトが遡及改定された2007年5月時点でみると、固定基準CPIと▲0.08%ポイントの乖離が生じている(図1)。この乖離要因は、指数を2005年=100から2006年=100にする「指数リセット要因」と、ウエイトを2005年基準から2006年基準に改定する「ウエイト改定要因」に分けられる(注)。
  3. マイナス方向への乖離が大きかった品目をみてみると(表2)、テレビ(薄型)、カメラ、パソコン(ノート型)はこれまでの指数低下が著しい品目であり、指数リセット要因が大きく影響した。これらの品目に代表される耐久消費財は、CPI全体への下落寄与も大きく、固定と連鎖の乖離を生む主因となっている(図3)。次に、移動電話通信料は、これまでの指数の低下度合いやウエイトの変化はそれほど大きくなかったものの、ウエイトそのものが大きいため、マイナスに寄与した。テレビゲームは、他に挙げた品目に比べて下落寄与はそれほど大きくないが、ウエイトが大幅に増加しているため、ウエイト要因が大きく現れた。
  4. 固定基準CPIの動きをみる上では、このような点にも留意していくことが必要である。

図1 固定基準と連鎖基準におけるコアCPIの推移
表2 マイナス方向への乖離幅が大きい品目(2007年5月時点)
図3 類別にみた固定と連鎖の乖離

(備考)
〈注〉「指数リセット要因」は、例えばテレビ(薄型)など価格下落幅の大きい品目について、これ  まで価格指数が低下してCPI全体に対する影響が小さくなっていた分、指数が100にリセット  されるとマイナス寄与が大きくなる。「ウエイト改定要因」は、基準年から離れるほど価格が下  落する品目に需要がシフトするという消費行動の変化がウエイトに織り込まれることで、CPI  全体の押し下げに働く。
〈図1〉・総務省「消費者物価指数」により作成      
    ・コアCPI(生鮮商品を除く総合)は、内閣府が独自に品目から積上げて作成したため公    表値と異なる。
〈表2、図3〉 品目別、類別の乖離幅は概算値。

担当:参事官〈経済財政分析−総括担当)付 高橋 達郎 直通:03-3581-9516

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

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