今週の指標 No.808 目次   前へ  次へ 2007年6月4日

毎月勤労統計調査のサンプル替えにより断層がみられる離職率

<ポイント>

  1.  毎月勤労統計調査(以下「毎勤」)は2007年1月調査から第1種事業所(常用労働者数30人以上規模の事業所)の調査対象が変更された(*1)。調査対象の変更により一般的には時系列データに断層が生じることになる。毎勤の賃金と労働時間等に関しては、調査対象の変更に伴い生じた断層を調整(ギャップ修正)しているが、一方で、例えば離職率についてはギャップ修正が行われていない。そのため、2007年1月調査をみると新調査対象の離職率が旧調査対象に比べ低い値となっている(図1)。
  2.  なお、毎勤の離職率を利用して作成される加工統計として、四半期別GDP速報(以下「QE」)における雇用者報酬の退職金がある。この退職金について、先に述べた離職率の過小評価部分について修正を行いQEと同様の推計方法により試算したところ(*2)、修正後の退職金を考慮した雇用者報酬は前年伸び率が0.3%pt上方に改定された(図2)。賃金の伸び率鈍化を背景とした雇用者報酬の増加幅縮小という基本的な構図こそ変わらないものの、退職金の動向をみる上ではこのような点にも留意が必要である。

    (*1)第1種事業所は約3年に一度調査対象が一斉に変更される。また並行して、半年ごとに実施される第2種事業所(常用労働者数5〜29人以上規模の事業所)の1/3のサンプル替えも行われるため、あわせると全体で約7割のサンプルが変更される。
    (*2)QEの退職金は、国民経済計算確報の退職金に毎勤の離職率から推計される退職者数の伸び率を乗じて延長推計している。

図1、2

担当:参事官(経済財政分析総括担当)付 徳田 秀信 直通:03-3581-9516

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。

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