今週の指標 No.804 目次   前へ   次へ 2007年5月21日

一部で在庫調整の動きがみられる情報化関連生産財

<ポイント>

  1. 鉱工業生産が07年入り以降、このところ横ばいとなっている背景には、昨年末にかけて輸送機械や一般機械などを中心に生産が高い伸びを示した反動に加え、これまで鉱工業生産の伸びを押し上げてきた情報化関連生産財の生産が、このところ横ばいで推移していることが考えられる(図1)。
  2. 情報化関連生産財については、在庫循環が06年7−9月期以降調整局面で推移していたものの(図2)、06年後半にかけては、メーカーがデジタル家電などの需要を見越して強気の生産を続けてきた。しかしながら、06年末以降には、在庫水準・在庫率が徐々に高まりをみせる中、一部で在庫を調整する動きが出はじめ、生産が横ばいとなったものと考えられる(図3)。
  3. 半導体・液晶パネルの商品市況の動向をみると、DRAMやTFTの価格は依然下落を続けており、全体として今のところ需給環境に明確な改善の兆しはみられていない(図4)。さらに、情報化関連生産財の生産と6ヶ月先行させた出荷・在庫ギャップを重ね合わせてみると、相当程度の一致性がみられ、これを考慮すれば、情報化関連生産財の生産が本格的に上昇していくまでにはある程度の期間が必要となる可能性も示唆される(図5)。
  4. もっとも、出荷・在庫ギャップを品目別にみると、液晶素子が悪化する一方、集積回路については回復してきており、情報化関連生産財全体としての出荷・在庫ギャップの一段の悪化には歯止めがかかりつつある面もみられる(図6)。
  5. こうしたことから、情報化関連生産財の今後の動向については、在庫調整を緩和している要因も見受けられるものの、依然として足元で明確な改善傾向を示す材料には乏しいため、引き続き注視していく必要があると考えられる。

図1.生産の業種別前期比寄与度 図2.情報化関連生産財の在庫循環図
図3.情報化関連生産財の生産・在庫・在庫率 図4.半導体・液晶パネルの市況
図5.情報化関連生産財の出荷・在庫ギャップと生産の推移 図6.集積回路と液晶素子の出荷・在庫ギャップ

担当:参事官(経済財政分析−総括担当)付 今田 将義 直通:03-3581-0806

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

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