今週の指標 No.802 目次  前へ  次へ 2007年5月7日

団塊世代に対する期待

<ポイント>

    1947年〜1949年生まれの「団塊の世代」と呼ばれる人々が定年退職を迎え始めている中、技能継承の途絶、労働力人口の減少などが懸念されている。一方で、その定年退職には今後3年間で50兆円の退職金が支払われるとも言われており、今後大きな購買力になるものと期待されている。以下では、団塊の世代の大量退職の影響について検証してみる。
  1. まず、05年の国勢調査を基に、団塊世代の就業者数と若年世代(20〜22歳)の人口を比較してみると、沖縄を除くすべての地域で団塊世代の就業者が上回っている(図1)。これは、若年世代のすべてが就業しても、団塊世代の大量退職によって生じる欠員をカバーできないことを意味している。
  2. 一方で、近年の労働力人口の動きを年齢別にみてみると、高齢者の労働市場への参入が進み、55〜64歳と65歳以上の人々が増加に寄与していることがわかる。特に05年からの65歳以上の寄与は顕著にみてとれる(図2)。
  3. また、団塊の世代に関するアンケート調査によると、約8割の人が60歳を過ぎてからも仕事を持ち続けたいと希望している(図3)。06年4月に施行された改定高年齢者雇用安定法では、事業主に定年引き上げ実施などが義務づけられており、高齢者労働力の活用が法律面でも後押しされている。
  4. 消費面では、団塊世代の退職に伴う大きな購買力が見込まれる。景気ウォッチャー調査では、余暇を楽しむ客が増え、市場が活性化するというコメントがみられ、中でも旅行業界や百貨店などは大きな期待を寄せている。企業にとっては、団塊の世代の取り込みが大きなビジネスチャンスになるといえる。
  5. 熟練した技術や様々な経験を持つ団塊の世代には、新たな労働力としても、また、新たな消費市場としても、各方面から期待が持たれるところである。

図1 団塊世代の主業者数と若年世代人口の比較 図2 労働力人口の増加率と年齢別内訳
図3 60歳を過ぎても仕事を持ち続けたいか 表4 団塊世代の退職に関するウォッチャーコメント

(備考)
・図1 総務省「2005年国勢調査」により作成。
なお、団塊世代の就業者数及び若年世代人口は05年人口を基に算出。
・図2 総務省「労働力調査」により作成。
・図3 野村総合研究所「団塊世代のセカンドライフに関するアンケート調査」により作成。
・表4 内閣府「景気ウォッチャー調査」により作成。

担当:参事官(地域担当)付 柿沼 仁 直通:03-3581-1392

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

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