今週の指標 No.799 目次   前へ  次へ 2007年4月16日

最近の公共投資の動向

<ポイント>

  1.  最近の公共投資の動向を工事受注からみると、06年6月以降、前年同月比の減少傾向が緩やかになってきた。なお昨春の比較的大きなマイナスは、05年3月の羽田空港再拡張工事の反動がでたことによる。(図1)
  2.  昨年後半からマイナス幅が減少している要因として、発注者別の動きでは(1)国や国以外の機関では07年1月、2月に大規模工事等の影響が強く、結果としてプラスに寄与していること、(2)都道府県においても年度後半にマイナス幅の小さい月がみられるようになったことがあげられる。(図1、備考2)
  3.  次に、工事種別では、災害復旧費が06年11月から07年1月までプラスに寄与したこともあげられる。06年4月から10月までのマイナス寄与は、05年4月から10月まで中越地震等の災害復旧費が大きく増加したことの裏がでたものであり、このところはこの影響がなくなった。(図2)
  4.  また、公共工事規模の動向も影響している。公共工事前払金保証統計から06年度の一件あたり工事金額の推移をみると、前年同月比がプラスとなる月があり、07年2月にも1割程度増加している。大手50社の受注動向においても、年度後半には大規模工事割合の高い月が増えてきており、07年1月、2月には前年度の大規模工事割合を上回っている。(図3、4)
  5.  公共投資予算の削減は続いているため、公共工事受注のこうした動きの先行きについては注意深く見ていく必要があろう。

図1 公共工事受注の前年同月比の推移(原数値・寄与度)
図2 公共工事受注における災害復旧費の推移(前年同月比・寄与度)
図3、4 

(備考)
1.図1、2は国土交通省「建設工事受注動態統計」、図3は北海道、東日本、西日本の三保証株式会社「公共工事前払金保証統計」、図4は国土交通省「建設工事受注動態統計(大手50社)」より作成。
2.国の公共工事受注の前年同月比は、06年1月は23.2%減、2月は18.3%減と大きく減少しており、07年には反動もあって1月は25.1%増、2月は38.1%増となった。また、受注高が50億円以上の工事として、07年1月は東名阪自動車道天白高架橋工事(落札額54億円 中日本高速道路株式会社)、2月は殿ダム建設第1期工事(落札額80億円 中国地方整備局)、中央環状線品川線シールドトンネル工事(落札額437億円 首都高速道路株式会社)などがあった。
3.図2中、災害復旧費の寄与度は、06年11月は2.6%増、12月は0.1%増、07年1月は0.2%増となった。
4.図3の一件あたり工事金額は、公共工事前払金保証統計での請負金額を請負件数で除したもの。
5.図4の大規模工事とは、受注高10億円以上の工事をいう。また、大規模工事の割合とは、工事受注高に占める大規模工事受注高の割合である。

担当:参事官(経済財政分析−総括担当)付 中島敬子 直通:03-3581-9527

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

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