今週の指標 No.797 目次   前へ   次へ 2007年4年2日

官需から民需への転換を図る地域の建設業

<ポイント>

  1. 2002年1月を底に続く今回の景気回復は、政府支出に頼ることなく、民需主導であったため、地域経済の回復の状況はばらつきがみられる。日銀短観の業況判断DIをみると、関東、東海、近畿の大都市圏は全国を上回る水準にある一方、北海道や四国といった地方圏では依然水面下にあるなど回復が遅れている(図1)。
  2. 業種別の業況判断DIをみると、製造業に比べ非製造業の改善は鈍く、特に建設業は全地域で依然大きく「悪い」超となっており、地域経済の回復の重石になっていることがうかがえる(図2)。
  3. こうした中、2002年から2006年の地域別の就業者数の増減率をみると、全体では増加している地域が多いものの、建設業の就業者は全地域で減少している。北海道や東北、四国では建設業の就業者の減少を他業種の増加でカバーできず、全体でも就業者が減少している(図3)。
  4. 次に建設工事の受注高を発注者別にみると、全地域ともに公共機関からの大幅な受注減により全体としては減少しているものの、民間からの受注は建築、土木共ほとんどの地域で増加している(図4)。
  5. 民間建築工事を業種別にみると、民間企業の積極的な設備投資から製造業が、近年好調なマンション建設等から不動産業が多くの地域で大きく増加に寄与している。また、入域観光客数が過去最高を記録(2006年、5年連続)している沖縄では、好調なホテル建設からサービス業が大きく伸びている(図5)。
  6. このように地域の建設業は、公共投資縮小の影響から依然厳しい状況が続いているものの、民需回復の効果も少しずつではあるが全国的に波及しつつあると言える。このように、官需から民需への転換が景気回復におけるカギを握っていると考えられ、今後もこの景気回復をさらに長続きさせ、景気回復の効果を幅広く行き渡らせることが重要である。

図1:日銀短観 業況判断DI(全産業)


(備考)
・図1、2 日本銀行各支店「企業短期経済観測調査」により作成。図1において、東北の2006年12月調査は0(ゼロ)、図2において、関東の建設業は非公表となっている。
・図3 総務省「労働力調査」により作成。九州には沖縄県も含む。
・図4、5 国土交通省「建設工事受注動態統計調査」により作成。

担当:参事官(経済財政分析-地域担当)付 京極 学 直通:03-3581-0818

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

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