今週の指標 No.793 目次   前へ  次へ 2007年3月12日

アメリカ:在庫調整局面を迎え概ね横ばいで推移する製造業生産

<ポイント>

  1. アメリカの鉱工業生産指数(製造業)は、06年年央まで増加基調を続けた後、頭打ちとなり、前年比の増加幅では9月をピークに縮小傾向が続いている。また、07年1月は前月比0.7%の減少となった(図1)。
  2. この背景には、06年後半にアメリカ経済の拡大テンポが緩やかになった中で、製造業においても在庫の積上がりによる生産調整が行われていることが考えられる。景気の回復、拡大を受け低下が続いていた在庫・売上高比率は、06年半ばには上昇に転じ、以後、高い水準で推移した(図2)。
  3. 今後の見通しをみる上で、出荷・在庫バランス(出荷の前年比−在庫の前年比)のサイクルをみると、06年2月をピークに低下に転じ、年央以降、在庫の高い伸びが続く中、出荷の伸びが鈍化したことにより、マイナス(在庫の伸びが出荷の伸びを上回る状況)が続いている。過去の局面においては、出荷・在庫バランスのサイクルは 製造業生産のサイクル(前年比)に先行した動き(出荷・在庫バランスが上昇局面に入ると、数か月遅れて生産は底を打ち、出荷・在庫バランスが下降局面に入ると、数か月遅れて生産はピークを迎えることが多い。)となっており、在庫調整の影響による生産の増加幅の鈍化はもうしばらく続く可能性がある。また、ISM製造業景況指数をみると、在庫指数は本年に入り縮小・拡大の分岐点である50を大きく下回っており、積み上がった在庫が減少している可能性が伺えるが、本格的に生産が回復するためには出荷の改善が重要であり、このところ弱い動きをしている設備投資など需要サイドの動きや景気の先行きに注視が必要である(図3、4)。

図1 鉱工業生産(製造業)の推移 図2 在庫・売上高比率の推移
図3 製造業 出荷・在庫バランスと鉱工業生産指数
図4 ISM製造業景況指数の推移

(備考)
米国商務省、FRB、サプライ・マネジメント協会(ISM)より作成。

担当:参事官(海外担当)付 松本 洋平 直通:03-3581-9536

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

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