今週の指標 No.786 目次   前へ  次へ 2007年2月13日

韓国:縮小傾向にある経常収支黒字

<ポイント>

  1. アジア主要国・地域の経常収支は、堅調な輸出の伸びを背景に黒字拡大基調が続いている中、韓国の経常収支黒字は近年縮少傾向にあり(図1)、2004年の282億ドル、05年の150億ドルから06年は61億ドルとなった(図2)。

  2. 経常収支の内訳をみると、貿易収支については、輸出は堅調なものの、原油価格の高騰による輸入の増加等から黒字幅は縮小している(図3)。一方、サービス収支については、赤字幅が拡大している(図4)。赤字の約7割を占める旅行収支や経営コンサルティング等の事業サービス収支の赤字幅が拡大を続けていることが背景にある。

  3. 韓国銀行の2007年見通し(※)では、輸出は世界経済の減速の影響を受け、06年より伸びは緩やかになるものの堅調に推移し、輸入は原油価格の安定により伸びが鈍化するとして、貿易収支黒字は06年とほぼ同程度の300億ドルを計上すると見込んでいる(図2)。一方、貿易収支以外のサービス収支等は、海外旅行支出の増加等により280億ドルまで赤字が拡大し、経常収支全体は20億ドル程度と、更なる経常収支黒字の縮小が見込まれている。

  4. 増加する海外旅行者や留学生が旅行収支の赤字幅を拡大させており、近年のウォン高がその拡大傾向を強めているため、サービス収支赤字の短期間での大幅改善は難しいとみられている。このように、韓国では1990年代末以降、貿易収支の黒字を背景に経常収支の黒字が続いてきたが、このところサービス収支赤字の拡大による構造的な変化がみられている。

    ※06年12月公表 

図1:アジア主要国・地域の経常収支
seisannn 
図2:経常収支の内訳
図3:貿易収支の内訳 図4:サービス収支の内訳

(備考)
(出所)IMF、韓国銀行、韓国統計局より作成。

担当:参事官(経済財政分析-海外担当)室

   野口 美雪  直通:03-3581-9537
   笹川 朋子  直通:03-3581-9537

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

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