今週の指標 No.782 目次   前へ   次へ 2007年1月22日

産業別の業況感について 
〜業況感が悪い業種で中小企業の割合が多い〜

<ポイント>

  1. 大企業と中小企業の業況感の差は、1999年頃から広がり始めている(図1,2)。これまで、景気回復期は大企業が先行して回復し、その後を中小企業が追いかけていたため、景気回復期に業況感格差は拡大し、景気後退期に縮小してきた。しかし2002年以降は景気が回復しているにもかかわらず業況感格差は広がらず、高い水準で落ち着いている。また、全規模の製造業、非製造業についてそれぞれ業況感をみると、ゆるやかに上昇しており(図3)、製造業と非製造業の業況感の差も縮まらない(図4)。
  2. 業況感の差について、製造業を見ると、大企業では電気機械が大きく改善している。それに対し、中小企業では電気機械は横ばいとなっている他、繊維や食料品、窯業土石などが下押しし、大企業との業況格差の要因となっている(図5)。この背景には、繊維、窯業・土石製品といった業種は、調査回答企業数の内訳において中小企業が大きなシェアを占めていることが挙げられる。
  3. 非製造業についてみると、大企業では不動産やサービス業などが改善し、情報通信その他の産業も好調である。それに対し、中小企業では卸売業でマイナス幅が大幅に縮小しているものの、建設や小売業等が大きな下押し要因となって業況感の差を広げている(図6)。この原因としては、特に業況が悪い建設業において、調査回答企業数の内訳で中小企業が占めるシェアが大きいことが考えられる。
  4. こうしたことから、中小企業では業況感の悪い業種が多く、大企業との格差が縮まらないということが考えられる。また、製造業と非製造業を比較すると、建設業をはじめとした業況の悪い業種が多いために、非製造業の業況が製造業の業況に比べ低い水準に留まっている可能性があるといえる。
    ※ここでの「大企業」は、資本金10億円以上の企業を、「中小企業」は資本金2千万円以上、1億円未満の企業を指す。

図1、2.規模別の業況感
図3、4.業種別の業況感
図5.製造業の業況感
図6.非製造業の業況感

(備考)
図は全て日本銀行「短観」2006年12月調査により作成。図1について、2004年3月調査から調査方法が変更されているため、グラフが不連続になっている。図5,6の企業構成比は12月調査時の有効回答企業数のシェア。図2,4のシャドー部は景気後退期。

担当:参事官(経済財政分析-総括担当)付 菊田 逸平 直通:03-3581-0806

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

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