今週の指標 No.781 目次   前へ  次へ 2007年1月15日

台湾:景気を左右するIT関連財の動向

<ポイント>

  1. 台湾の2006年7-9月期の実質GDP成長率は政府の事前予想(8月時点:前年比4.4%)を上回り、前年比5.0%となった。民間消費が同0.4%増と低い伸びを続けるなど内需が弱い動きとなる一方、輸出が同13.1%増と堅調に推移し、05年後半以降外需が景気全体を支えている(図1)。

  2. 一方、足元06年10-12月期の輸出(通関ベース)は低い伸びとなった(図2)。これを品目別にみると、IT関連財等の電子・電気機械 (※注1)が伸びを鈍化させた影響が大きく、また国別では、IT関連財の主要な輸出先とみられる中国向け (※注2) 及びアメリカ向けが弱い動きとなっている。

  3. このIT関連財の生産動向をみると、IT製品は05年10-12月期以降前年比一桁の伸びにとどまっており、IT部品は06年4-6月期以降伸びが緩やかになってきている(図3)。特に伸びの低下傾向が顕著であるIT部品の出荷・在庫バランスをみると、06年に入り出荷の伸びは低下してきており、在庫水準の高まりがみられる(図4)。

  4. こうした状況から、政府の最新の見通し (※注3) では06年10-12月期の輸出(実質GDPベース)は前年比2.77%増にとどまると見込まれているが、07年通年については同5.42%増と、外需について今後の更なる減速までは見込んでいない模様である(図1)。現在、景気のけん引役となっている外需の中心的な役割を果たすIT関連財において、在庫調整が今後軽微なものとなり、IT関連財生産が回復に向かうかどうかは、世界のIT需要ひいては世界景気の動向によるところが大きいが、特に最大の最終需要元であるアメリカにおけるIT関連財の需要動向には注意が必要であろう。

    ※注1:電子・電気機械は輸出全体の約半分のシェアを占める(06年)。
    ※注2:近年台湾・中国間のIT関連財の製造・出荷における分業体制の深化から、中国において台湾からのIT部品等に対する需要が拡大しているとみられ、中国向けシェアは輸出全体の約4割を占めている(06年)。
    ※注3:最新の政府見通しは06年11月時点。

図1:実質GDP成長率と項目別寄与度
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図2:品目別輸出の動向(通関ベース) 図3:IT関連財生産の動向
図4:IT部品の出荷・在庫バランス
(備考)
台湾行政院主計処、CEICデータより作成。

担当:参事官(経済財政分析-海外担当)室

   野口 美雪  直通:03-3581-9537
   勝間田 真由子  直通:03-3581-9537

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

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