今週の指標 No.780 目次   前へ  次へ 2007年1月9日

近畿地域で急速に拡大する薄型テレビ・太陽電池の生産

<ポイント>

  1. 近年、近畿地域ではプラズマテレビ関連や太陽電池関連への巨額の設備投資が続いている(表1)。これが近畿地域の生産において、今後、ますます大きなウェイトを占めると考えられるが、現行の鉱工業指数(IIP)はこうした実態を十分に反映していない可能性がある。
  2. これらの品目は、現行のIIPの基準時点である2000年において生産全体に占めるシェアが今日のように大きくはなかった。現在プラズマテレビやPDPモジュール(注)の生産で国内市場シェアトップのメーカーが生産を本格化させたのは2004年以降である。また、太陽電池も2000年度の出荷額は2005年度の6分の1にも達していなかった(図2)。そのため現行の近畿のIIPの採用品目には、PDPモジュールや太陽電池モジュールは入っていない。また、プラズマテレビについては、ブラウン管テレビと同じカテゴリーの中で計上されている(表3)。これらの品目の扱い自体は、全国統計も同様であり、近畿のIIP固有の問題ではないが、これらの世界最大級の生産拠点が集中する近畿においては、その生産動向に十分留意するのは当然であろう。
  3. 以上を踏まえ、実態に少しでも接近できるよう、近畿の鉱工業生産指数に大まかな補正を試みた(表3)。結果をみてみると、追加品目のウェイトの算出に全国統計を使用したため、影響が過小となっている可能性はあるものの、変化方向に与える影響は軽微であった。ただし、当該品目のウェイト分相当の乖離は生じている(図4)。
  4. 近畿の生産動向をみるには、IIPと併せて生産動態統計調査や業界団体が取りまとめている統計を通してプラズマテレビ・PDPモジュールや太陽電池セル・モジュールの動向に注意を払う必要があると考えられる。
  5. 注)PDP(Plasma Display Panel)モジュール ;PDPモジュールにチューナーや信号処理回路などを組み合わるとプラズマテレビになる。


【表1】プラズマテレビ関連や太陽電池関連の主な設備投資 【図2】プラズマテレビと太陽電池の出荷
【表3】近畿IIPの採用品目と品目追加によるウェイト補正 【図4】補正後の近畿鉱工業生産指数の推移

(備考)
1.表3の近畿IIPウェイトの修正方法
業種別の既存のウェイトは、そのまま利用し、プラズマテレビ、PDPモジュール及び太陽電池モジュールのウェイトの設定に当っては、近畿地域に限定した生産額等を補足する統計がないため、「機械統計」(経済産業省)から全国ベースの値を援用し、民生用電子機械及び通信・電子部品のウェイトの枠内で、当該3品目のウェイトを除く既存品目間のウェイトの配分を維持されるよう、同一の割合でウェイトを縮小している。
2.図4の指数作成に利用したプラズマテレビ、PDPモジュール及び太陽電池モジュールの数量
プラズマテレビとPDPモジュールは、「機械統計」(経済産業省)の全国ベースの数量を元に、ディスプレイサーチ社が発表している企業の市場シェアにより推定している。太陽電池モジュールについては「主要製品生産実績」(近畿経済産業局)のデータを用いている。

(出所)
製造企業各社ニュースリリース、「民生用電子機器国内出荷統計」((社)電子情報技術産業協会)、「太陽電池 総出荷統計」(太陽光発電協会)、「平成12年基準 近畿地域鉱工業指数改定の概要」(近畿経済産業局)、「機械統計」(経済産業省)、「主要製品生産実績」(近畿経済産業局)、ディスプレイサーチ社プレスリリース

担当:参事官(経済財政分析-地域担当)付政策企画専門官 三輪 篤生 直通:03-3581-1392

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

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