今週の指標 No.779 目次   前へ  次へ 2006年12月25日

アメリカ:クリスマス商戦後も注目される小売売上

<ポイント>

  1. クリスマス商戦期間(感謝祭の翌日ブラックフライデー(注1)からクリスマス・イヴまで)を含む11〜12月における小売売上高は、年間売上高の約4分の1弱を占め(GAFOベース(注2))、景気の強さをみる上での一つの目安となることから、その動向が注目される。全米小売業協会(NRF)の見通し(9月時点)によれば、06年11〜12月のクリスマス商戦関連品目の売上は、前年比5.0%増の4,574億ドルと見込まれており、好調であった05年よりやや低いものの、過去10年間の平均(4.6%)をやや上回る伸びになると予想されている。13日に商務省より公表された11月の小売売上高は、前年比5.6%増となっており、クリスマス商戦は堅調に始まったことが伺える(図1)。
  2. 今後の動向を占う上で、ここ数年のクリスマス商戦の動きをみると、商戦終盤の盛り上がりに加え、商戦後も小売動向の好調が持続する傾向がみられる。具体的には、商戦のスタートとなるブラックフライデーの前週を基準とした場合、第2週目にかけて商戦開始セールの反動で一旦売上が落ち込むものの、以後はクリスマス・イヴの週に向けて加速する。クリスマスを挟んだ前後の週でピークを迎えるが、翌年1月に入ってもしばらくの間ピーク時の勢いが持続している(図2)。このことは、近年において11〜12月の小売売上高の年間売上に占める割合が年々低下傾向にある一方、1月の割合が年々上昇傾向にあることからもうかがえる(図3)。06年においても、第4週目(12/10〜16)までのデータをみると、やはり、過去5年平均の動きや05年の動きと同様のパターンで推移しており、また、国際ショッピングセンター(ICSC)のアンケート調査をみても、06年の消費者の買い物の進捗状況は例年に比べて出遅れていることから(図4)、クリスマス商戦の終盤や、商戦後における売上の加速が期待される。
  3. このように消費者の購買行動が後ろ倒しとなっている背景には、商戦終盤になるほど商品の値引き幅が拡大することや、商戦後に実施される在庫一掃セールの存在、さらにはクリスマス・プレゼントにギフトカードを選択する消費者の割合の増加(注3)等により、買い物を商戦後半から年始へ先送りしていることが考えられる。とりわけ、ギフトカードについては贈り物として益々嗜好される傾向にあり(図5)、クリスマス商戦以後の小売売上の増加を助長する可能性がある。
  4. なお、年々利用額が増加しているオンライン販売については、前述の売上見通しに含まれていないものの、NRFの調査によれば、クリスマス商戦において店頭販売等以外にオンライン販売を利用する予定である人の割合は05年(42.6%)を上回り本年はほぼ半数に近く(47.1%)に達している(図6)。

    (注1)「ブラックフライデー」とは感謝祭翌日のクリスマス商戦がスタートする日を指す。これまで赤字であった小売業者の採算もこの日を境に黒字に転じるとの意味で表現されるともいわれている。06年は11月24日だった。

    (注2)「GAFO」とは、商務省の定義によれば、百貨店で販売されている代表的な商品の総称で、家具及び家財道具、電化製品、衣料品・アクセサリー、スポーツ用品、ホビー・本・音楽、事務用品・文房具・ギフト商品、雑貨を含んでいる。自動車・同部品、飲食料等を含んでいないことから、クリスマス商戦の影響を受ける商品の総体としてみなされる場合が多い。

    (注3)ギフトカードの売上はギフトカードの購入時ではなく、使用時に計上されるため、クリスマス商戦後に使用された場合は商戦後の売上となる。

図1 クリスマス商戦の実績と見通し  図2 クリスマス前後の小売売上の動向
図3 クリスマス商戦の年間売上高に占めるシェアの推移  図4 クリスマス・ショッピングの進捗状況
図5 品目別の購入計画  図6 クリスマス商戦におけるオンライン販売の動向

(備考)
アメリカ商務省、全米小売業協会(NRF)、国際ショッピングセンター協会(ICSC)、コムスコア・ネットワークスより作成。

担当:参事官(経済財政分析−海外担当)付 大塚 昌明 直通:03-3581-9536

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

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