今週の指標 No.771 目次   前へ  次へ 2006年11月27日

中国:拡大を続ける自動車市場

<ポイント>

  1. 中国の自動車販売は、高い伸びを続けている。05年の自動車販売台数は576万台となり、市場規模でアメリカ、日本に次ぎ世界3位となった(図1)。06年は1〜10月累計で前年比25.1%増の574万台に達した。車種別にみると、全体に占める乗用車の割合は約7割となっており、1〜10月累計では乗用車販売が同30.7%増、商用車販売が同12.9%増となっている。
  2. この増加の背景をみると、需要側としては前年比で10%台の増加が続いている可処分所得(都市部)の上昇、供給側としてはメーカー間の競争激化による販売価格の低下(図2)がある。また、低価格かつ比較的低燃費な小型車の市場規模拡大が特徴の一つとして挙げられる。小型車については、国際的な原油価格の高騰により、低燃費の車種への需要が増えたことに加え、政策としても環境保護と資源節約の促進を目的とし、(1)都市部における小型車走行規制(*注1)の撤廃(06年3月)、(2)大型車の消費税率(*注2)引上げ及び小型車の消費税率引下げ(4月)が行われた。そのため、排気量3000cc以上の大型車(税率15〜20%)の販売台数が減少する一方、小型車の販売が増加しており、特に排気量1000〜1600cc車種(税率3〜5%)が乗用車販売台数に占めるシェアは05年初の約30%から06年10月には約50%と大幅に拡大している。
  3. しかし普及率をみた場合、低価格化しているとはいえ自動車価格は平均的な所得に比べてまだ高価である(*注3)ことから、購入者層が限られており、また道路や駐車場の未整備といった要因もあり全国普及率は05年で約3%と低い(図3)。今後については、自動車ローンの整備や北京五輪、上海万博等に向けた道路整備の進展等が期待されており、国家発展改革委員会は第11次5か年計画の期間である2010年までに、自動車市場は800〜900万台まで拡大すると見込んでいる。
  4. 一方、市場の拡大に伴い、ガソリン需要増への対応が今後の課題となる。中国では原油の輸入依存度は05年で約40%を占めるに至っており、06年に入ってからも輸入量は1〜9月期前年比約15%増となっている(図4)。今後、比較的弱いとされる燃費規制の強化及び燃費改善への技術開発、電気や天然ガス等を利用した代替燃料車の技術開発及び利用促進等、省エネルギーへの一層の取組が求められる。

    (*注1)中国では、渋滞緩和を主な目的として省・直轄市が小型車の走行規制を実施していた。
    (*注2)高級消費財、贅沢品、高級サービスに対する消費にかかる税で、日本等の消費税の概念とは異なる。
    (*注3)売れ筋とされる10万元前後の小型車でみた場合、シトロエンの05年平均価格(約8万元)は、年間一人当たり可処分所得(05年、都市部)の約8倍、低所得層の約20倍、中所得層の約9倍、高所得層の約4倍に相当する。



図1:自動車販売台数
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図2:主要な車種の価格低下 図3:所得層別自動車普及率(05年、都市部世帯) 図4:原油輸入量

(備考)中国国家統計局、CEICデータ、アメリカ商務省より作成。

担当:参事官(経済財政分析-海外担当)室

   野口 美雪   直通:03-3581-9537
    川端 知也子  直通:03-3581-9537

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

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