今週の指標 No.770 目次   前へ   次へ 2006年11月27日

情報化関連生産財の動向について

<ポイント>

  1. 出荷の堅調な伸びによってこのところ在庫の増加は抑制されており、生産は緩やかな増加が続いている(図1)。分野別の在庫循環図をみても、全体としては回復局面にある。一般機械や輸送機械といった加工系業種(除.電子部品・デバイス)が設備投資の増加や輸出に支えられて回復局面にあるとともに、鉄鋼や化学などの素材系業種も回復局面に入っている(図2)。
  2. 一方、情報化関連生産財(液晶素子、半導体素子、集積回路など)は06年7−9月期に45度線を越えて在庫の増加が出荷の増加を上回る局面に入っている。ただし、在庫率に急速な高まりはみられず、デジタル家電などの需要を見越したメーカーの強気の生産により在庫が積み上がってきたと考えられる(図3)。
    ※社団法人電子情報技術産業協会によると、06年10月の民生用電子機器の国内出荷実績(金額ベース)は前年同月比9.2%増(3ヶ月連続増)で、うち薄型テレビなどの映像機器は同9.5%増(3ヶ月連続増)、携帯音楽プレーヤーなどの音声機器は同9.0%増(2ヶ月連続増)となっている。
  3. そうした中、電子部品・デバイスの生産の先行きについては、伸びが鈍化することが見込まれている。出荷は堅調に推移しているが、06年7−9月期に在庫がITバブル後01年を上回る水準まで急速に増加しており、生産の先行き鈍化はメーカーの足もとの在庫の積み上がりを意識した動きとみられる(図4)。そのため、06年10−12月期の生産・出荷・在庫の各指数を注視していく必要がある。
  4. 需給環境をみると、製商品需給判断D.I.は、製造業は国内外ともに改善している。特に海外はゼロ近傍まで回復してきており、現状は全体として国内外の需給に特段の悪化の兆しはみられない。ただし、半導体生産の動向に対し半年程度の先行性を持つといわれる半導体製造装置の受注/出荷比率(BBレシオ)は、06年に入ってから日本製装置は総じて目安となる1を超えて推移しているが、北米製装置は06年に入って1を超えて推移した後、このところ1近傍で推移している(図5)。今後の生産をみる上で、国内外の需給の動向とともに、情報化関連生産財の動向には注意していく必要があると考えられる。

生産・出荷・在庫の動向
在庫循環図(分野別)について
情報化関連生産財の在庫率
電子部品・デバイスの生産・出荷・在庫の動向
製商品需給判断D.I.の推移およびBBレシオの推移

担当:参事官(経済財政分析−総括担当)付 有馬 基之 直通:03-3581-0806

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

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