今週の指標 No.763 目次   前へ  次へ 2006年10月16日

アメリカ:住宅着工が減少する中で、住宅購入環境には改善の兆しも

<ポイント>

  1. GDP統計における民間住宅投資が2006年4-6月期まで3四半期連続で減少となるなど、住宅投資が米国経済に与える影響が注目されている。

  2. 住宅投資の先行指標となる住宅着工をみると、06年に入って減少傾向が明確化しており、8月は前月比6.0%減の166.5万件となった。これはピークであった06年1月(226.5万件)と比べると26.5%減少したことになる(図1)。

  3. 一方、住宅購入環境はやや改善の兆しも見られる。家計名目所得の増加に加え、ガソリン価格の下落等により、実質可処分所得は増加している(図2)。さらに、長期金利が低下したことに伴ってモーゲージローン金利(30年物固定)も月平均で9月は6.28%(注1)と、ピークを付けた6月から0.44ポイント低下した(図3)。また、住宅価格の上昇率は、本年に入ってはっきりとした低下傾向にあり、8月は新築住宅、中古住宅ともに前年比で低下となった(図4)。これらを反映するかたちで、全米不動産業者協会(NAR)が発表している住宅取得可能指数 (Housing Affordability Index)(注2)の8月の指数は前月比2.7ポイント増の102.3と6か月ぶりに前月を上回った(図5)。

  4. また、購入用住宅ローン申請指数は月平均で9月は5か月ぶりに前月を上回った。このような足元でみえ始めた住宅購入環境の改善の兆しが、今後、住宅市場のソフトランディングにつながっていくかどうか注目される(図6)。

    (注1)直近の9月29日までの週では6.24%。
    (注2)住宅取得可能指数は100であれば平均的所得の家計が平均的価格の住宅を取得するのに、頭金20%で月々の元利支払いが所得の25%と仮定した場合、十分な所得を持つことを示す。

図1:住宅着工件数の推移 図2:実質可処分所得の推移 図3:モーゲージ金利と10年国債金利の推移 図4:住宅価格の推移(前年比) 図5:住宅取得可能指数の推移 図6:購入用住宅ローン申請指数の推移

担当:参事官(経済財政分析-海外担当)室

   小堀 厚司  直通:03-3581-0974
   松本 洋平  直通:03-3581-9536

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

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