今週の指標 No.760 目次   前へ   次へ 2006年10月10日

災害復旧工事がもたらす新潟県への影響

<ポイント>

  1. 2004年度の新潟県では大雨や中越地震等の災害に見舞われ、復旧工事が進められた。県内の公共工事は、1990年代に度重なる国の経済対策により増加した後98年度から減少傾向となったが、04年度の中越地震等発生から増加に転じた。中越地震では上越新幹線や関越自動車道での損壊などの交通インフラや農道などの農林水産施設での被害が大きかったため、04年度の公共工事では道路や治山・治水等の土木工事が増加した。公共工事件数及び1件あたりの工事金額についても、04年度から05年度にかけて増加しており、大規模な工事が多く施工されたことを窺わせ、県内で災害復旧工事を中心に建設工事が増加した。(表1、図1、2)
  2. これにより、04年度まで減少基調にあった県内常用労働者数の前年度比は建設業常用労働者数が1.5%と増え、県内全産業の前年度比は全国を上回る上昇となった。この間、建設業の倒産件数は引き続き減少傾向を辿った。県内の生コンクリート出荷量も05年度の前年度比は15.4%と大きく伸びており、建設工事の増加が建材消費や労働者の増加などの効果をもたらしたことが窺える。(図3、4)
  3. 公共投資による災害復旧工事の増加から、05年度の公的固定資本形成が民間住宅とともにプラスに転じ、県内経済成長率も大きくプラスとなった。90年代後半から減少していた公的固定資本形成(実数値)についても05年度には増加に転じたところであるが、90年代の公的固定資本形成の増加の規模には及ばず、ピークであった96年度の約7割程度の規模となった。(図5、6)

表1 中越地震における新潟県の被害総額(試算)
図1 新潟県内の公共工事の推移(工種別寄与度)他
図3 常用労働者数の推移(全国と新潟県内)
図5 県内経済成長率と項目別増加寄与度
図6 県民経済計算における公的固定資本形成の推移

(備考)
1. 2の生コンクリート出荷量については、新潟県生コンクリート工業組合による調査。これによれば、同組合加盟116工場での生コンクリート出荷量の05年度実績は246,3000立方メートルであり、前年度実績の15.4%増となった。(平成18年6月2日付 日刊建設工業新聞掲載)
2. 表1は新潟県資料より作成
3. 図1は建設工事受注動態統計調査より作成。「その他」は、同調査中の港湾・空港、下水道、教育・病院、鉄道等交通事業用施設、上・工業水道、住宅・宿舎、庁舎、公園・運動競技場施設、再開発ビル等、土地造成、郵政事業用施設、電気・ガス事業用施設、廃棄物処理施設等、その他の項目を合算したもの。
4. 図2は公共工事前払金保証統計から作成。一件あたり工事金額は公共工事前払金保証統計での請負金額を請負件数で除したもの。
5. 図3は「毎月勤労統計調査地方調査結果速報(17年平均)」(新潟県)より作成。常用労働者については、5人以上の事業所における常用労働者の対前年比を使用
6. 図4は新潟県統計年鑑2005から作成
7. 図5及び6は新潟県「新潟県県民経済計算」(実質値速報値(原数値))から作成。図中の経済対策事業は国で行われたもので、掲載した金額には社会資本整備のほか、雇用対策、金融対策、介護対策、特別減税、対外支援等、様々な事業を合わせた総額。

担当:参事官(経済財政分析−総括担当)付 中島 敬子 直通:03-3581-9527

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

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