今週の指標 No.754 目次   前へ  次へ 2006年9月11日

非正規雇用比率の上昇が賃金指数に与える影響

<ポイント>

  1. 厚生労働省「毎月勤労統計調査」のきまって支給する給与(以下「定期給与」という。)の最近の動きをみると、7月は季節調整済前月比▲0.2%、また3ヶ月移動平均をとると6月は同▲0.0%、7月は同▲0.1%と横ばい圏内で推移している(図1)。一見すると労働者の定期給与が上昇していないように思われるが、これは比較的賃金の低い非正規雇用者の労働者に占める割合が上昇しているために、平均的な賃金指数が押し下げられている可能性がある。
  2. そこで、非正規雇用者比率の上昇がどれほど賃金押下げに寄与するか、一定の仮定をおいた上で試算してみる(詳細は備考参照)。それによると、非正規雇用者比率の上昇(図2)によって、フルタイム労働者の定期給与が前年比で約0.2%〜0.4%程度押し下げられていることが分かる(図3)。同様に、パートタイム労働者の定期給与についても押下げに寄与していることが分かる(図4)。
  3. このような賃金指数の押下げ効果がある非正規雇用比率の動向をみると、06年4-6月期において正規雇用者が大きく増加したことにより、雇用者全体の非正規雇用比率は06年1-3月期と比べ低下している(図5)。
  4. 今後の景気回復の過程において引続き正規雇用者が増加していけば、非正規雇用者比率の押下げ効果も剥落することが予想され、各種の賃金指数も上昇していくことが期待される。

図1と図2
図3
図4
図5
備考

担当:参事官(経済財政分析総括担当)付 井上 裕介 直通:03-3581-9516

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。

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