今週の指標 No.753 目次   前へ  次へ 2006年9月4日

インド:引き続き高成長が見込まれる

<ポイント>

  1. インドでは、2006年1〜3月期の実質GDP成長率は前年比9.3%、05年度(※注1)全体では同8.4%となり、03年度より3年連続して8%前後の高成長が続いている(図1)。その内訳をみると、約6割のシェアを占める第3次産業が引き続き全体を牽引しており、中でも、鉄道輸送業や通信業が高い伸びとなるなど「商業・ホテル・運輸・通信」部門が同12.9%増と2桁の伸びとなった。また、第2次産業が化学薬品や機械類及び鉄・非鉄金属で高い伸びを示したこと等により堅調に推移した。

  2. 一方、経常収支をみると、サービス収支のうちソフトウェアサービスの収支(※注2)は、IT産業の好調さを背景に黒字幅を年々拡大しており、06年1〜3月期には67億ドルの黒字となっている。他方、貿易収支は原油高や内需の好調により輸入が増加し赤字幅が拡大しているため、経常収支は赤字傾向にある(図2)。

  3. 今後の見通しについては、インド準備銀行(中央銀行)は、第3次産業、第2次産業共に引き続き堅調な推移を続け、06年度の実質GDP成長率は前年比7.5〜8.0%となると見込んでいる(※注3)。なお、インド準備銀行は7月25日に政策金利の引上げを実施した(6月8日に続き2か月連続の引上げ)(図3)。この背景としては、原油価格の高止まり及び一次産品(主に食料品)価格の上昇圧力が懸念されること等から(図4)、インド準備銀行が潜在的なインフレに対して警戒姿勢を続けていることがあるが、この他に、市場では最近のインド・ルピー安の進展を抑制するためとの見方もある(参考)。今後の動向をみる上では、物価や金利等の動向には注視が必要である。

    (※注1)05年度は、05年4〜6月期から06年1〜3月期までを指す。06年度は、06年4〜6月期から07年1〜3月期までを指す。
    (※注2)05年度では、ソフトウェアサービス収支がサービス収支黒字の約99%を占めた。なお、移転収支は06年1〜3月期は73億ドルの黒字となっている。
    (※注3)インド準備銀行「RBI Bulletin」(8月14日)より。見通し作成時は06年4月。

図1 実質GDP成長率 図2 経常収支 図3 政策金利 図4 卸売物価指数 参考 インド・ルピー

担当:参事官(経済財政分析-海外担当)室

   野口 美雪  直通:03-3581-9537
   勝間田 真由子  直通:03-3581-9537

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

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