今週の指標 No.748 目次   前へ   次へ 2006年8月21日

米国からの輸入数量指数の動向をみる際に留意すべき点について
〜航空機が与える影響についての一考察〜

<ポイント>

  1. 米国からの輸入数量指数の対前年同月比をみると、EUやアジアの動きに比して大きく変動している(図表1)。対前年同月比の標準偏差で比較しても、米国12.0、EU6.5、アジア8.6となっており、米国の対前年同月比のばらつきは他の地域より大きい。
  2. これは航空機の輸入数量の変動が大きく影響しているものと考えられる。我が国の航空機の輸入金額についてみると、米国からの輸入金額がこれまで総じて8割強と大部分を占めている(図表2)。さらに航空機は単体の値段が大きく(例えば大型機ボーイング747-400で約250億円、中型機ボーイング767-300で約150億円、小型機ガルフストリームG-Vで約50億円)、航空機の輸入金額が米国からの輸入金額全体(2006年6月で6,696億円)の10%を超える月もあり、その変動幅も大きい(図表3)。また、2005年に米国から輸入された民用航空機52機(内25機はヘリコプター)中、飛行機27機の内訳は、大型機11機、中型機9機、小型機7機となっており、高額な大型機、中型機の割合が高い。
  3. 米国からの輸入金額の品目別寄与度において、単月ベースで大きく変動している月に着目すると、その月における航空機輸入金額の寄与度が大きいことがわかる。例えば、2005年末から全体の輸入金額の伸びが鈍化している中で、2006年5月に伸びが急激に大きくなった(対前年同月比で4月+2%→5月+19%)のは、航空機輸入金額による影響が大きい(寄与度7%、寄与率40%)(図表4)。また、米国からの輸入金額の対前年同月比(1999年1月〜2006年6月)の標準偏差をみると、全体11.1に対し、航空機を除いたものは10.6と減少し、ばらつきが小さくなった。
  4. 以上から、航空機が米国からの輸入数量指数を大きく変動させる主たる要因と推測される。よって、米国からの輸入数量指数の動向についてみる際には、航空機の影響をある程度除くため、移動平均をとるといった様な全体を均してみる等の必要があると考えられる。

図表1.地域別輸入数量指数
図表2.我が国の航空機輸入金額シェア
図表3.米国からの輸入金額に占める航空機のシェア
図表4.米国からの輸入金額品目別寄与度

(備考)
1.財務省「貿易統計」より作成。
2.財務省「貿易統計」では、地域別における航空機単独の輸入数量指数が公表されていない
  ので、ここでは輸入金額を使用した。
3.財務省「貿易統計」では、輸入は当該輸入貨物の輸入許可の日をもって全額計上している。
4.航空機の輸入機体数については、国土交通省航空局からデータの提供を受けた。
5.飛行機の規模の分類について確たる基準がないため、ここでは標準座席数が350以上のも
  のを大型機、100以上350未満のものを中型機、100未満のものを小型機と分類した。

担当:参事官(経済財政分析-総括担当)付 寺西 航佑 直通:03-3581-9527

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

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