今週の指標 No.747 目次   前へ  次へ 2006年8月14日

基礎的支出、選択的支出からみたCPIの動向

<ポイント>

  1. CPI(生鮮食品、帰属家賃除く)を、基礎的支出と選択的支出(注1)の項目別に分けてみると、基礎的支出項目は石油製品等の特殊要因による押上げが大きく、それらを除くと、依然として耐久消費財(電気製品等)、その他工業製品(洗剤等)を中心にマイナス基調で推移している(図1)。
  2. 一方、同じく特殊要因を除いた選択的支出項目のCPIは、2004年末頃から繊維製品(背広、ブラウス等)の上昇が始まり、2006年に入ると個人サービス(外国パック旅行等)、その他工業製品(ハンドバッグ(輸入品)、指輪)、外食(ハンバーガー)等において、プラス幅を拡大している(図2、表1)。
  3. こうした選択的支出項目の物価上昇を裏付ける指標として、高額消費、IT関連の消費を調査対象とした家計消費状況調査をみると(注2)、このところ前年比で増加しており、景気回復を反映して選択的支出が増加していることが背景にあるのではないかと考えられる(図3)。
  4. これらのことから、日用品等の基礎的支出項目がCPIに対しマイナス寄与となっている一方、選択的支出項目はプラス寄与となっていることが分かる(注3)。基準改定の影響を含め、今後のCPIの動向については注視する必要がある。

    (注1)
    ○基礎的支出項目・・・支出弾力性(消費支出が1%伸びたときの各項目の支出の伸び率)が1未満(食料品、電気代・ガス代、日用品等)。
    ○選択的支出項目・・・支出弾力性が1以上(パソコン、輸入品ハンドバッグ、外食等)
    (注2)家計消費状況調査は、サンプル数が約30000世帯であり、家計調査の約8000世帯と比べるとデータの安定性が高いと考えられる。ちなみに、家計調査から選択的支出の増加は確認できなかった。
    (注3)ただし、今月25日のCPIの基準改定によって、選択的支出項目の前年比プラス幅は縮小する可能性があることに留意が必要である。






担当:参事官(経済財政分析−総括担当)付

   井上 崇  直通:03-3581-9516

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

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