今週の指標 No.743 目次   前へ  次へ 2006年7月24日

堅調な成長を続けるカナダ経済

<ポイント>

  1. カナダの06年1-3月期の実質GDP成長率は前期比年率3.8%と05年に引き続き堅調に推移している。この背景には原油価格の高騰によりエネルギー産業が好調であることなどから、民間設備投資や個人消費が堅調なことがある(図1)。
  2. こうした中、カナダ中銀は05年9月以来政策金利を25ベーシスポイントずつ4.25%まで連続して7回引き上げた後、7月11日に行われた政策決定会合では金利の据え置きが決定された。インフレ率が政策目標圏(前年比+1.0〜3.0%)内で推移するなか(図2)、カナダ中銀は、06年の経済は若干の超過需要が続くものの、以降は米国経済成長が緩やかになることや、これまでの金利の上昇やカナダドルの増価の影響の表れにより、需給バランスが均衡するとの見通しを示し、「現在の政策金利水準は中期的なインフレ目標達成に整合的であると現時点では判断される」と述べている。
  3. 財政収支についても、94年度以降強力に進められた財政再建や、近年の経済が堅調なことによる税収増を受けて、97-98年度以降黒字が続いており、また、累積債務残高も95-96年度には対GDP比で85.3%であったものの、04-05年度には同54.7%にまで減少している(図3)。カナダ政府は05-06年度も80億ドル程度の財政黒字を見込んでいる。
  4. 先行きについては、主要輸出相手国である米国経済の予想以上の鈍化には注視する必要があるものの(注)、概ね堅調な成長が続くと考えられる(図4)。

    注)05年におけるカナダ輸出に占める対米輸出比率:81.4%

図1:実質GDP成長率と寄与度
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図2:政策金利とインフレ率の推移 図3−1:財政収支の推移 図3−2:政府債務残高対GDP比の推移 図4:実質GDP 成長率の推移(カナダ中央銀行による見通し)
(備考)
カナダ統計局、カナダ中央銀行、OECD Economic Outlook、データストリームより作成。

担当:参事官(経済財政分析-海外担当)室

   大塚 昌明  直通:03-3581-9536
   坂井 潤子  直通:03-3581-9536

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

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