今週の指標 No.737 目次   前へ   次へ 2006年7月10日

家計の金融資産に対するリスク許容度

<ポイント>

  1. 日銀の資金循環統計によると、2005年度末の家計の金融資産残高は、1,506兆円と、年度ベースでは過去最高額となった。現金・預金の保有割合は、年度ベースでみて、2002年度末の56.7%から2005年度末には51.2%まで低下した。一方、2005年度は株価の上昇によって株式等の時価評価額は増加したほか、投資信託等への投資額が増加した結果、株式等および投資信託の保有割合は、2002年度末の7.9%から2005年度末の15.4%まで上昇した(図1)。個人の金融資産残高の変動をみると、1999年度以降、株式等の価格変動に大きく左右されるようになっている(図2)。
  2. 株式・株式投資信託および外貨預金・外債の合計を、価格変動の影響を受けるいわゆるリスク資産とし、リスク資産と預貯金の保有割合を比較すると(図3)、60歳以上の高齢者世帯ほどリスク資産の保有割合が高く、また、2002年度末から2005年度末にかけて、どの年齢層においてもリスク資産保有割合が高まっている。特に、50歳以上の世帯においては、預貯金のシェアが減少している。
  3. こうしたリスク資産のシェアの増加は、家計のリスク選好の度合いの変化と関係しているのだろうか。そこで、年齢別の相対的危険回避度の推移をみる(図4)。相対的危険回避度とは、損益の変動(リスク)が大きい場合よりも小さい場合を好む度合いを示す一つの指標であり、現実の金融資産のポートフォリオから算出される。これをみると、年齢層が高いほど危険回避度の水準が低い傾向にあるが、2000年度から2004年度の平均と、2005年度末のデータを比較すると、2005年度は高齢者層以外の世帯においても危険回避度が低下し、景気回復やそれに伴う株価の上昇等を背景に金融資産のリスク許容度が高まったことが伺える。

図1.家計の金融資産残高における現金・預金と株式及び投資信託の構成比
図2.個人金融資産の推移(増減率の要因分解)
図3.年齢別金融資産保有割合の推移
図4.年齢階級別相対的危険回避度の推移

担当:参事官(経済財政分析担当−総括担当)付 高橋 慶子 直通:03-3581-5854

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

目次   前へ   次へ