今週の指標 No.736 目次   前へ   次へ 2006年7月3日

堅調に推移する首都圏の分譲住宅着工

<ポイント>

  1. 首都圏住宅地の地価は、周知のとおり、各県で縮小しつつも下落が続くなか、東京では上昇に転じており、特に都心中心部において上昇幅が大きくなっている。
  2. また、都心中心部では分譲住宅用地の確保が困難な状況となっており、地域別着工推移をみると、03年度をピークに東京、特に都心中心部で戸数、シェアともに減少する一方、着工対象が隣接3県に広がりをみせ、首都圏全体の着工戸数を押し上げていることが確認できる(図1)。また、都区部を中心にマンション成約率は上昇し、在庫戸数は着実に減少している(図2)。
  3. 一方で、今後の動向をみると、「最近、金利の先高感が出てきており、今後は懸念がもたれる(景気ウォッチャー調査 南関東=住宅販売会社・平成18年4月)。」などのコメントから、消費者が住宅取得に対して先行きの不透明感を感じている様子がうかがえる(図3)。
  4. しかしながら、「住宅ローンの金利が上昇し始めているためか、住宅展示場等の集客も増加してきており、受注も前年比を上回り始めている(同上 南関東=住宅販売会社・平成18年5月)。」といった駆け込み需要の動きも見られるほか、金融機関からみた住宅ローン資金需要動向及び貸出しスタンスが改善傾向にあり(図4)、さらに、住宅建築請負業者等供給サイドからみた今後の成約見通しも明るいこと(図5)から、首都圏における分譲住宅着工動向が急速に冷え込むことは考えにくい状況である。

    以上から、首都圏の分譲住宅着工は今後も当面堅調に推移することが予想される。

図1 減少する都内新設着工戸数とシェア〜着工対象は区部中心部から周辺都市へ〜 図2  マンション成約率及び在庫戸数推移〜成約率は上昇、在庫は低水準に〜(01→04年度)
図3 消費者不動産購買態度の推移(関東)〜先行きに対する不透明感からやや足踏み〜
図4 住宅向け資金需要と銀行貸出態度(全国)〜資金供給サイトからみた取得環境は良化傾向〜 図5 分譲住宅の成約状況D.I.推移(首都圏)〜住宅供給サイドからみた成約見通しは明るい〜
(備考)
1.図1 国土交通省「住宅着工統計」により作成。
2.図2 不動産経済研究所「不動産経済調査月報」により作成。なお、在庫戸数は各年12月末現在。
3.図3 日本リサーチ総合研究所「消費者不動産購買態度指数」により作成。
4.図4 日本銀行「主要銀行貸出動向アンケート調査」により作成。
5.図5 住宅金融公庫「全国住宅市場調査」により作成。
6.本文中の「首都圏」は東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県、「都心3区」は千代田、中央、港の3区、「都心10区」は、都心3区に新宿、文京、台東、墨田、江東、渋谷、豊島を加えた10区。
7.本文中のコメントは内閣府「景気ウォッチャー調査」より抜粋。

担当:参事官(経済財政分析-地域担当)付 芝崎 晴彦 直通:03-3581-1392

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

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