今週の指標 No.735 目次  前へ  次へ 2006年7月3日

日本は、貿易立国から投資立国へ

<ポイント>

  1. 我が国では2005年、所得収支が貿易収支を上回り、足元でもその傾向は続いており、「貿易立国」から「投資立国」に変化しつつあるのではないかという指摘がある(図表1)。
  2. 我が国と比較的国の状態が近いと考えられる諸外国と国際収支の状況を比較すると、アメリカや英国はサービス収支や所得収支が黒字であるものの貿易収支が大きな赤字であり、経常収支は赤字となっている。スイスは貿易収支、サービス収支も黒字だが、所得収支がそれを上回る黒字となっており、海外からの所得が経常収支において大きな割合を占めていることがわかる。ドイツは最も我が国と似ており、サービス収支は赤字だが、貿易収支が黒字で、足元では所得収支も黒字である(図表2)。
  3. 各国の対外純資産をみると、我が国の対外資産は順調に増加傾向を続けていることがわかる(図表3)。一方で、海外の資産からどれだけのリターンがあったかという投資収益率をみると我が国は比較対象国の中で最も収益効率が悪い(図表4)。
  4. その原因の一つに我が国の対外資産の構成が考えられる。我が国の海外資産は他国と比較すると証券、特に債券や外貨準備の割合が高く、直接投資の割合が圧倒的に低い(図表5)。また、我が国の地域別対外資産構成は北米やEUの証券投資が中心である(図表6)。
  5. 今後、我が国が「投資立国」を目指していくためには、いかに対外資産を有効に活用していくのか、という事も重要になるであろう。効率的な海外資産の活用が求められている。

図1−貿易収支と所得収支の動き
図2−1−国際収支の推移(日本)
図2−2−国際収支の推移(アメリカ)
図2−3−国際収支の推移(英国)
図2−4−国際収支の推移(スイス)
図2−5−国際収支の推移(ドイツ)
図3−各国の対外純資産残高
図4−対外資産収益率の推移
図5−対外資産の構成
図6−地域別対外資産の構成
備考

担当:参事官(経済財政分析−総括担当)付 中野 貴比呂 直通:03-3581-9527

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

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