今週の指標 No.732 目次   前へ   次へ 2006年6月26日

地域別にみた最近のサービス業の動向

<ポイント>

  1. 6月9日に公表された「新経済成長戦略」(経済産業省)では、地域経済活性化のための政策の一つとして「サービス産業の革新」が挙げられている。サービス業は、製造業と共に地域経済の「成長エンジン」となるのか、地域別のサービス業の現状に焦点を当てた。
  2. 今回の景気回復では、サービス業は雇用の受け皿となった(図1)。企業単位で01→04年度の従業者数の増減率をみると、他業種が大きく減少する中、サービス業のみ増加している(図2)。さらに詳しくみると、飲食店、宿泊業、娯楽業といった業種が減少する一方、それを補う形で介護保険制度の導入や高齢化の進行から医療・福祉関連が大きく増加しているほか、人材派遣業を含むその他事業サービスが増加に寄与しており、全国では0.8%増となっている(図3)。
  3. 実際にどのような業種が成長しているのか。サービス業において順調に売上げを伸ばしている「サービス成長企業」の01→05年度の増減率をみると、製造業が好調な東海地域をはじめ各地域で他の事業サービス業、不動産業、娯楽業などが増加している(図4)。
  4. ただし、サービス業の1人当たりの給与額をみると、これら成長業種の給与水準は高いとは言えない(図5)。比較的給与水準の高い広告業や情報通信業は、東京や大阪といった大都市圏に集中しており、現状では地方のサービス業全体の給与水準を押し上げるまでには至っていない。
  5. 地域経済の成長エンジンをこれまでの製造業単発から製造業とサービス業の「双発エンジン」へと切り替えるためには、サービス業が、雇用吸収の場から労働生産性の向上により高付加価値産業となることが不可欠と言える。

図1 就業者数の増減率(02→05年) 図2  従業者数の増減寄与度
(01→04年度)
図3 サービス業の従業者数の増減率
(01→04年度) 図4 サービス成長企業数の増減率
(01→05年度)
図5 従業者1人当たり給与と
東京都への従業者集中度(04年度)

(備考)
図1 総務省「労働力調査」より作成 九州は沖縄を含む
図2、3、5 総務省「事業所・企業統計調査」、「サービス業基本調査」により作成
図4 (株)帝国データバンクの企業概要ファイルを用いて内閣府にて作成 
 サービス成長企業とは、(株)帝国データバンクの企業概要ファイルの業種別大分類「Lサービス業」+中分類「飲食店」のうち、下記の条件にあてはまる企業
 ・法人であること 
 ・各企業の決算において、最新期と前期の2期(2年)連続して売上高が10%以上伸びている 
 ・最新決算期において、売上高が5億円以上あること

担当:参事官(経済財政分析-地域担当)付 京極 学 直通:03-3581-0818

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。

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