今週の指標 No.731 目次   前へ   次へ 2006年6月26日

5期ぶりに増加した正規雇用者

<ポイント>

景気の回復が続く中、企業部門の改善が家計部門へ波及しつつあるが、これまでの回復は、企業側のリストラによる人件費削減目的等を背景に、雇用者数全体では増加しつつも、非正規雇用中心の増加であった。一方で、団塊世代の大量退職や、景気回復の長期化による企業側の雇用不足感の高まりなどから、正規雇用者増加の兆しも見られる。ここでは、先月発表された労働力調査(詳細結果)で正規雇用者が5期ぶりに増加した背景について考察してみた。
  1. 労働力調査(詳細結果)によると、正規雇用者数は平成18年1−3月期に前年同期差で7万人の増加と5期ぶりにプラスとなった。産業分類上の「公務」を除いたベースでみると、正規雇用者数は平成18年1−3月期に同30万人増と統計上把握が可能な平成16年以降で初めての増加となった。(図1)
  2. 産業別の内訳を見ると、製造業が前年同期差33万人増と2期連続で増加している。また教育・学習支援業が同17万人増と4期連続の増加、情報通信業が同8万人増と6期連続の増加となっており、製造業を中心に一部の産業では、正規雇用者増加の兆しが見られる。(図2)
  3. 規模別で見ると従業者が1〜29人の事業所が前年同期比32万人増と9期ぶりのプラスとなり、中小企業にも正規雇用者の増加の兆しが見られる。(図3)
  4. 年齢別で見ると、15歳〜24歳で2万人の増加と6期ぶりにプラスとなった。但し、25歳〜34歳は同21万人減と減少が続いている。(図4)また同時に発表された平成18年4月の労働力調査によると、15歳〜24歳の失業率は9.0%と若年層の雇用はいまだ厳しい。
  5. 非正規雇用は18年1−3月期に72万人増加している。その結果、雇用者数全体が増加する中でも、正規雇用比率は低下している(図5)。今後景気回復に伴い、正規雇用者数の増加がこのまま続くかどうか、さらに正規雇用比率の低下傾向に変化が生ずるかについても注目される。

図1 正規の職員・従業員 対前年差増減
図2 主要産業別 正規の職員・従業員 対前年差増減
図3 従業者規模別 正規の職員・従業員 対前年差増減
図4 年齢階層別 正規の職員・従業員 対前年差増減
図5 正規雇用者・非正規雇用者の対前年差増減及び正規雇用比率

担当:三橋 誠 直通:03-3581-9516

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

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