今週の指標 No.725 目次   前へ    次へ 2006年6月5日

外国人投資家がJ−REIT市場の拡大に少なからず貢献

<ポイント>

  1. J−REIT市場の拡大が続いている。2006年4月末時点で、時価総額3.4兆円、上場銘柄数32と、この1年で約2倍の成長を遂げている(図1)。
  2. 投資主体別の売買動向を見ると外国人投資家のシェア拡大が目立っている(図2)。2005年頭以降増加傾向にあり、特に05年央以降では最大シェアを占めている。株式市場でみられる外国投資家のシェア拡大が、J−REIT市場においてもはっきりと現れてきている。
  3. REITは利回りの高さや分散投資の有効性などが魅力とされる。J−REITについて国債とのイールドスプレッドをみると、ピーク時の4%強から低下傾向にあるものの、足元では2%弱程度と依然として優位性を保っている(図3)。
  4. 一方で、米国REITのイールドスプレッドをみると、足元では国債利回りの方が高く、逆転現象がみられる(図3)。J−REITと米国REITのイールドスプレッドを比較してみると、J−REITは開始当初から米国を上回っており、その乖離は2004年央以降拡大している。外国人投資家もJ−REITの利回りに優位性を感じているものと思われる。
  5. こうした日米のREIT市場の動向を背景として、外国人投資家がその旺盛な運用ニーズとともにJ−REIT市場におけるシェアを拡げ、これまでの市場拡大に少なからず貢献したものと推測される。しかしながら、外国人投資家は状況の変化に敏感であるため、今後の国内外における不動産市況や金利の動向如何によって資金移動の速度が速まることも考えられる。その場合、J−REIT市場に与える影響には留意が必要である。

図1 J−REITの銘柄数と時価総額
図2  投資部門別不動産投資信託証券売買金額の構成割合の推移
図3 日米REITのイールドスプレッドの推移

担当:参事官(経済財政分析−総括担当)付  榎 広之 直通:03-3581-9527

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

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