今週の指標 No.718 目次   前へ  次へ 2006年5月8日

景気回復の波及による人手不足感が目立つ地域の雇用情勢

<ポイント>

  1. 昨今、報じられている景気回復は、各地域の雇用面にも、順調に波及しているのだろうか。日銀短観の雇用人員判断DIを、前回の景気の山(2000年10-12月)と比較すると(調査サンプルが改定されていることに注意を要する)、ほとんどの地域で人手不足感が強まっている。この値は、ほとんどの地域で90年代半ばの水準である(図1)。
  2. 景気ウォッチャー調査(現状、3月)によせられているコメントをみると、「景気が悪いときはリストラ等から求職者数が増えるが、最近は景気が良くなっている中で求職者が増加している。特に若い在職者の増加が際立っている(九州=職業安定所)」や「金融、電機メーカーの新卒採用増を受け、中堅企業も採用枠を拡大しているようである。急きょ採用媒体を変更し、求人情報誌を使う企業も出ている(南関東=求人情報誌製作会社)」など、好調さをうかがわせるコメントがみられる。
  3. また。新規学卒者の就職内定率を前年と比較すると、高卒、大卒ともにほぼ全ての地域で前年を上回っている(図2、3)。
  4. 企業が人手不足を感じ、新卒採用を増やしていることのもう一つの背景としては、団塊世代の一斉退職と若年労働者の少なさ、いわゆる2007年問題も控えていることが考えられる。就業者のうち55〜59歳は、各地域ともに差はなくほぼ1割強を占めている。また50〜54歳も約1割を占めており、労働力の確保を目指すことが今後も続くと考えられる(図4)。

(図1)雇用人員判断DI (図2)高校卒業者内定状況  (ほとんどの地域で上昇) 
(図3)大学卒業者内定状況  (全ての地域で上昇) (図4)就業者年齢別構成

(備考)
(図1) ・日本銀行各支店「短観」により作成。
・短観を使用するに当たり(1)地域の産業構成を反映して、調査対象を選定しているわけではないこと、(2)03年12月より調査サンプルが変更されていることの2点から、単純に比較することには注意を要する。
・北関東は前橋支店管内、南関東は神奈川県。
(図2)厚生労働省「高校・中学新卒者の就職内定状況等について」により作成。06年1月時点が最新値。
(図3)文部科学省、厚生労働省「大学等卒業者就職状況調査」により作成。06年2月時点が最新値。
(図4)総務省「労働力調査」により作成。05年平均。

担当:参事官(地域担当)付 山田 寛 直通:03-3581-1392

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

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