今週の指標 No.717 目次   前へ   次へ 2006年5月8日

住宅ローン金利と住宅購入動向

<ポイント>

  1. 3月の量的緩和の解除以降、金利が上昇傾向にある。その中で、住宅ローンの金利も上昇している。主要行の住宅ローンの基準金利は、2006年3月から4月にかけて、+0.1〜0.2%上昇となっている(図1)。
    金利の先高感が出てくる中で、超長期固定金利商品であるフラット35(備考)の申し込み件数が増加している(図2)。
    そのフラット35の適用金利も前年に比べて、上昇傾向にある(図3)。
  2. 今回の金利上昇が住宅需要を抑えるという経済的な仕組みがある一方で、金利の先高感から住宅の買い急ぎが予想され、短期的には住宅需要にプラスに働くのではという効果も考えられる。そこで、過去の金利水準と住宅購入の推移をみてみたい。
  3. 住宅金融公庫の基準金利とマンションの契約件数の関係をみてみると、1999年付近を境として、以前は金利と契約件数は、ある程度の負の相関がみてとれるが、ここ数年はあまり相関性が無いようにみてとれる(図4)。
    そこで期間を分けて、金利水準とマンション契約件数の関係を回帰分析してみると、1998年までは金利とマンション契約件数は負の相関があるが、1999年以降は相関関係はあまりみられない(表1)。
  4. 1999年以降は、1999年3月にゼロ金利政策、2001年3月には量的緩和政策がスタート(2006年3月解除)し、長期金利は極めて低い水準にあった。
    住宅購入層にとって、購買決定要素は金利以外にも、不動産価格動向や可処分所得、貯蓄残高、住宅ローン減税制度等も考えられる。
    この期間では、金利水準よりもこれら他の要素の影響が大きい可能性がある。
    ただし今後、金利がある程度の水準まで上昇してくると、住宅の購買需要に影響が現れてくると思われる。

図1.大手銀行の住宅ローン金利の変化 図2.フラット35の件数の推移
図3.フラット35金利の変化 図4.住宅公庫基準金利とマンション契約件数の推移
表1.住宅公庫基準金利とマンション契約戸数の推計結果

(備考)
フラット35とは、住宅金融公庫と民間金融機関が提携している住宅ローン商品。
返済期間が20〜35年で長期固定金利、保証料不要、繰上返済手数料不要などの特色がある。

担当:参事官(経済財政分析-総括担当)付 藤原 健一  直通:03-3581-5854

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、必ずしも内閣府の見解を示すものではない。

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