今週の指標 No.712 目次   前へ   次へ 2006年4月3日

アメリカ:緩やかな減少が見込まれる06年の住宅投資

<ポイント>

  1. アメリカの住宅投資を見ると、新築着工件数は200万件台と高水準で推移している(図1)。しかし、05年半ば以降、住宅販売件数は減少し、在庫率は増加している(図1、2)。
  2. 背景には、これまで逐次引き上げ続けてきた政策金利の動向を反映し、これまで6%を切って推移してきたモーゲージ金利が緩やかに上昇していることがある(図2)。今後も、モーゲージ金利は緩やかに上昇すると見込まれていることや、一部地域では住宅価格が所得水準等からみて高水準となっているとの指摘もあり、住宅着工も緩やかな減速が見込まれている(図1)。03年半ば以降加速していた住宅価格上昇率も05年末以降、鈍化している(図4)。
  3. なお、住宅投資の減速に伴って、住宅価格が大きく下落する場合、逆資産効果の発生、消費へのマイナスの影響が懸念されるが(図3)、米国の住宅価格上昇は、英国など他の住宅ブーム(注1)を経験した国と比較しても穏やかなものであり、米国モーゲージ銀行協会は、今後も急激な住宅価格の下落(注2)は避けられると見込んでいる(図4)。

図1:新築住宅着工、新築住宅在庫の動向、及び見通し 図2:販売件数の減少とモーゲージ金利の上昇 図3:家計資産の動向 図4:06年も上昇が見込まれる住宅価格
(備考)
(注1)90年代後半以降、アメリカ、英国、フランス等の幾つかの先進国において「住宅ブーム」と呼ばれる現象が起きており、特に英国では03年にかけて顕著な住宅価格の上昇が見られた。
(注2)住宅市場における新築販売と中古販売のシェアの比率は1対6と中古住宅が発達していることから、中古住宅価格はより安定的であり、かつ一度上昇した場合、急激な下落は見られにくい。

担当:海外担当参事官付

   参事官補佐 野澤郁代  直通:03-3581-0974
   政策企画専門職 是川 夕  直通:03-3581-9536

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。

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