今週の指標 No.705 目次 前へ 次へ 2006年3月13日

GDPとGNIの動き

<ポイント>

  1. GDP(国内総生産)は一国における付加価値額の総額であり、経済の実態を表す世界共通の指標である。GDPには海外投資などから発生した所得が含まれていないが、他方、GNI(国民総所得)、旧GNP(国民総生産)にはこれが含まれる(参考1)。
  2. 海外からの所得については主に「国際収支統計」の所得収支とサービス収支の特許等使用料に対応している(参考2)。海外資産の増加(所得収支の増加に寄与)や我が国企業の海外進出の進展(特許等使用料の増加に寄与:※備考参照)の動きから、所得収支、特許等使用料とも増加傾向が続いており(図1)、名目・実質ともに海外からの所得は増加傾向にある。他方で、原油価格高騰等による輸入デフレーターの上昇により交易条件は悪化しており、実質GNIに含まれる財・サービスの輸出入価格(デフレーター)の差によって生じる所得の実質額である交易利得はマイナス傾向が続いている(図2)(図3)。
  3. 以上から、我が国のGDPとGNIの動きを見ると、その差は名目では海外からの所得の純受取を反映するため乖離が拡大している(図4)。一方、実質GDPと実質GNIを見ると、海外からの所得に加えて、交易利得の悪化が修正されるため乖離が縮小する(図5)。交易利得は基準年に基づく相対的なものであるため、実質GDPと実質GNIの絶対水準の比較より変化の方向が重要であることに留意する必要があるが、我が国の実質GNIでみた所得は実質GDPの動きとあまり変わらない。

図1−所得収支と特許等使用料の推移
図2−輸出入デフレーターの推移
図3−海外からの所得の純受取と交易利得の推移
図4−GDPとGNIの推移(名目)
図5−GDPとGNIの推移(実質)
参考1−93SNAにおけるGDPとGNIの関係
参考2−海外からの所得の93SNAと国際収支統計での対応関係
備考

担当:参事官(経済財政分析−総括担当)付 中野 貴比呂 直通:03-3581-9527

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。

目次 前へ 次へ