今週の指標 No.703 目次   前へ   次へ 2006年3月6日

国内銀行の貸出残高回復の現状

<ポイント>

  1. 1月の貸出資金吸収動向(速報)によると、国内銀行総貸出残高(平残)の前年比は▲0.0%と、近年の貸出減少傾向に歯止めがかかりつつある姿が確認できる。また、特殊要因調整後では前年比+1.3%と、6ヶ月連続で増加している(図1)。
  2. そこで、国内銀行貸出の内容を貸出先別(末残)にみてみると、企業向け貸出はマイナスが続いているものの、中小企業向けが貸出減少幅を縮小している。加えて、住宅ローンや地方公共団体向け貸出がプラスで推移し、国内銀行貸出残高の回復を牽引しているといえる(図2)。
  3. しかしながら、国内銀行・信用金庫・政府系金融機関を合計した貸出残高増加率は、政府金融改革による政策金融縮小の影響もあり、マイナス幅は縮小しているが現時点ではまだマイナスで推移している。さらに、貸出残高増加率を金融機関別に寄与度分解すると、政府系金融機関の中でも改革が先行している住宅金融公庫のマイナス寄与度が大きいことが分かる(図3)。
  4. これは、住宅金融公庫が07年度以降、証券化支援業務を中心とする独立行政法人に移行することから、個人向け直接融資を段階的に縮小しており、この部分を民間銀行の住宅ローンが代替しているためと考えられる。そこで、国内銀行・信用金庫・住宅金融公庫の住宅ローンの残高増加率を寄与度分解すると、2002年以降、住宅金融公庫の住宅ローン残高が減少しているのに対し、国内銀行の住宅ローン残高はほぼ同規模で増加していることが分かる(図4)。
  5. このように、国内銀行の貸出減少幅の縮小の背景には、中小企業向けが回復基調にあるほか、住宅金融公庫改革に伴って民間銀行にとっての市場が拡大しており、住宅ローンがプラスで推移している点が挙げられる。

銀行貸出の動向
国内銀行の貸出先別貸出残高
国内銀行・信金・政府系金融機関の貸出増加率の寄与度分解
住宅ローン残高増加率の寄与度分解

担当:参事官(経済財政分析-総括担当)付 今田 将義 直通:03-3581-5854

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。

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