今週の指標 No.702 目次   前へ  次へ 2006年2月27日

企業の利子収支は黒字化へ

<ポイント>

  1. 1990年以来続いてきた営業利益率と経常利益率の差が縮小し続けており、2005年には経常利益率が営業利益率を上回り、営業外収支が黒字転換した(図1)。
  2. 製・非製別にみると、製造業では2004年以降、営業利益を経常利益が上回り、営業外収支が黒字となっているのに対し、非製造業では赤字幅が縮小している段階にあり、中でも電気業、不動産業の改善が大きい。規模別にみても、収益率に差はありつつも各々営業利益率と経常利益率の差は縮まっているのがわかる(図2)。
  3. 営業利益と経常利益の差の縮小について、その内訳を見ると、利子収支の赤字幅が縮小していることが大きな要因であることが分かる(図3)。
  4. 利子収支の内訳をみると、利子支払の減少幅が縮小している(図4)。利子支払の減少については、金融緩和の継続により企業の支払利率が低下していることに加え、債務残高が減少していることによるものと考えられる(図5)。
  5. 利子収支を製・非製に分けてみると、2005年時点で双方とも受取利子は2兆円程度と同じであるが、利子支払は製造業が2兆円を下回っている。これに対し、非製造業では利子支払は7兆円と相対的に高い水準にあるが、支払額は着実に減少してきている。また、規模別にみると、大企業は受取利子、支払利子が3〜4兆円でバランスし、若干ながら黒字である。これに対し、中小企業の支払利子は1兆円強であり利子収支は赤字となっているが、90年代後半以降徐々にではあるが赤字幅は縮小してきていることが分かる(図6)。

経常利益率と営業利益率の格差
業種別、規模別にみた利益率の推移
営業外収支の内訳 利子収支の内訳
企業の負債残高と支払利率
業種別、規模別の利子収支

(備考)
1.図は全て財務省「法人企業統計季報」により作成。2005年10−12月期のデータを得られないため、図表中の2005年の値は全て2004年10−12月期〜2005年7−9月期の値を合算したもので仮置きしている。
2.図1.2.における売上高営業利益率、売上高経常利益率は全て、当該四半期を含めた後方4四半期中の売上高、経常利益、営業利益の合計値から求めている。
3.図3.4.6.における“利子収支”とは「受取利子等」から「支払利子等」を引いたもの。“その他の営業外収支”とは「その他の営業外収益」から「その他の営業外費用」を引いたもの。“営業外収支”とは「経常利益」から「営業利益」を引いたもの。
4. 図5.における“平均利率”とは、当該期間中に支払った「支払利息等」の合計を当該期間中の平均有利子負債残高で除したもの。
参考図.営業利益と経常利益

担当:参事官(経済財政分析-総括担当)付 菊田 逸平 直通:03-3581-0806

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。

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