今週の指標 No.699 目次 前へ 次へ 2006年2月20日

原油等の輸入価格の高騰が貿易収支を押し下げる

<ポイント>

  1. 2005年の国際収支統計をみると所得収支が貿易収支を上回ったものの、4年ぶりに経常収支は減少に転じた(図1)。貿易収支の内訳を見ると、依然として輸出は好調である一方、輸入が急増し貿易収支を押し下げたことが分かる(図2)。
  2. 貿易統計を基に地域別に輸出の内訳をみると、南アジアや中南米、東欧、ロシア、中東等のこれまで相対的にシェアが高くなかった地域で伸びている(図3)一方、輸入は全地域で増加したものの特に中東地域からの輸入の増加が目立つ(図4)。
  3. さらに、貿易統計を利用して国際収支統計の貿易収支の変動要因の分解を行うと、原油価格を始めとする輸入価格の寄与が大きいことが分かる(図5)(図6)。
  4. これらのことから今回の貿易収支の減少は原油価格を始めとする輸入価格の急激な上昇による影響が大きく、貿易構造に急激な変化が起きたとは言い難いため、今後も貿易収支の減少傾向が続くかは慎重な検証が必要であろう。
  5. (※国際収支の発展段階に関しては今週の指標681「日本は「国際収支の発展段階説」における「成熟した債権国」への道を歩むのか」参照)


図1−経常収支等の推移
図2−貿易収支等の推移
図3−地域別輸出額の伸び
図4−地域別輸入額の伸び
図5−原油輸入量と原油輸入価格
図6−貿易収支変動の要因分解
備考

担当:参事官(経済財政分析−総括担当)付 中野 貴比呂 直通:03-3581-9527

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。

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