今週の指標 No.698 目次   前へ  次へ 2006年2月13日

首都圏、近畿圏における中古住宅市場の動き

<ポイント>

  1. 中古住宅の流通促進や高齢者のバリアフリーマンション等への住み替え促進に向けた取組みが進められているなか、子育て世代1100人のうち高齢者の持ち家賃借に関心があるのは8割に上るというアンケートもあるが、実際の中古住宅市場の動向はどのような状況か、市場規模の大きい首都圏、近畿圏を取り上げ、考察する。
  2. 2002年からの中古住宅市場をみると、首都圏、近畿圏共に中古戸建住宅や中古マンションの成約率に伸びがみられず、成約しない登録物件の累積数が増え続けている(図1)(図2)。特に、首都圏では、中古戸建住宅の成約率が低下傾向であり(図1)、中古マンションの成約率も2割強と(図2)、8割程度である首都圏新築マンションの発売月契約率とはかなりの差がある。
  3. 南関東や近畿の住宅調査をみても、賃貸や売却用の空き家の数は、この20年、世帯数や住宅総数の伸びを上回って推移しており、市場で滞留する住宅数が多いことがわかる(図3)。
  4. また、南関東、近畿共に高齢者世帯の割合は伸びているが、一方で、車いすで道路から玄関まで通行できる住宅の割合などはあまり変わらない(図4)ことなどから、今後、新築のバリアフリーマンション等の供給が増えれば、住み替え需要が高まる可能性もある。高齢者と子育て世代の住宅ニーズのマッチングなどのためにも、中古住宅市場のさらなる活性化が望まれる。

図1.中古戸建の成約率伸びず、登録物件が滞留 図2.中古マンションも登録累積数は増加の一途 図3.賃貸・売却用の空き家数の伸びは大 図4.高齢世帯が増える中、伸びない高齢者対応住宅
(備考)
1. 図1、図2 (財)土地総合研究所「今月の不動産経済」により作成。成約率は、各年における
  登録件数に占める成約件数の割合。登録累積数は、登録件数から成約件数を引いた数の
  2002年からの累計。
2. 図3、図4 総務省「住宅・土地統計調査」により作成。地域区分はA。高齢者世帯数は、65歳
  以上の単身世帯数と少なくとも夫婦のどちらか一方が65歳以上である世帯数の合計。

担当:参事官(地域担当)付 東條 左絵子 直通:03-3581-1392

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。

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